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今夏の節電要請の議論は慎重に

景気回復の影響も考慮すべき

2013年4月19日(金)

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 今夏の電力需給に関する議論が本格化している。経済産業省の総合資源エネルギー調査会総合部会の下に電力需給検証小委員会が新たに設けられ、3月22日に第1回会合が開かれた。そして4月9日の第2回会合から集中して具体的な議論、検証を進めていく。我が国の産業および国民生活を守る上で極めて重要な議論、検証であり、委員長を拝命した私としては、非常に身の引き締まる思いである。

予備率3%で本当に十分か

 既に新聞などで一部報道されているが、経産省は、今夏(7~9月)に需給が最も逼迫すると想定される関西電力と九州電力の管内で、最も逼迫する時期(それぞれ7~9月と7月)においても、最低でも予備率(需要に対する供給の余力の割合)3%を確保できるとの見通しを報告している(下の表)。周波数60ヘルツの中西日本6社全体では、地域間融通を前提に、予備率6.0%(8~9月)を確保できると試算した。同様に、周波数50ヘルツの東日本3社は、最も厳しい東京電力管内で4.8%(9月)、全体では5.5%(9月)を確保できるという試算だ。

出所:経済産業省 電力需給検証小委員会(第2回)配布資料から(数値を囲む○を追加した)

 これらを前提に、今夏は政府による節電要請はないとの見方も報道された。しかし、そう結論付けるには、もう少し慎重に議論を重ねる必要があると私は考えている。そもそも予備率が3%で本当に十分といえるのかどうか。予期せぬトラブルなどが同時に多発し、大量に電源が不足してしまう事態に対応できるのか。

コメント1件コメント/レビュー

予備率を高めれば、当然発電コストは上がる筈だ。3%を6%にすれば、差額の3%分は需要が無いのに発電する訳だから、その分原価は上がる。停電を避けたい気持ちは分かるが、原発停止で電気料金値上げをしようとしている状況で安全の為に予備率を上げる事には慎重であるべきだろう。携帯へのe-メールやテレビニュースで要請されれば節電に協力する個人や企業は少なくない筈だ。殆どの原発が停止したままの現状は「異常事態」には変わりないのだ。発電の予備率も異常事態での3%で良いではないか。むしろ、更なるコストアップ要因を電力会社に押し付けるべきではない。(2013/04/19)

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「今夏の節電要請の議論は慎重に」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

予備率を高めれば、当然発電コストは上がる筈だ。3%を6%にすれば、差額の3%分は需要が無いのに発電する訳だから、その分原価は上がる。停電を避けたい気持ちは分かるが、原発停止で電気料金値上げをしようとしている状況で安全の為に予備率を上げる事には慎重であるべきだろう。携帯へのe-メールやテレビニュースで要請されれば節電に協力する個人や企業は少なくない筈だ。殆どの原発が停止したままの現状は「異常事態」には変わりないのだ。発電の予備率も異常事態での3%で良いではないか。むしろ、更なるコストアップ要因を電力会社に押し付けるべきではない。(2013/04/19)

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