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「中計」の耐えられない軽さ

HUAWEI流に日本企業も学ぶとき

2013年4月18日(木)

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 ニュースの重要度が整然と視覚化されていることは活字メディアの大きな魅力の1つだが、新聞の片隅に載るいわゆる「べた記事」の中にも、それまでの仮説や思い込みを崩し、認識を改めさせるようなニュースがある。

 今年の1月下旬、深夜の編集部内で何気なく新聞をぱらぱらとめくっていて、まさにそんなたぐいのニュースに出くわした。中国の通信機器大手の華為技術(HUAWEI)が首脳ら11人の2012年末の賞与をゼロとしたことを伝える、40行ほどの短い記事だ。

 世界のスマートフォン市場で3位に浮上するなど、華為技術の業績はいたって好調のはず。なのになぜ、この時期に幹部の賞与がゼロになるのか――。見出しを目にしてもニュースの背景が分からず、一瞬、頭の中が混乱した。

 実際、2012年12月期の華為技術の売上高は前の期比8%増の2202億元、純利益は32%増の154億元だった。一部報道では円換算ベースの売上高でスウェーデンのエリクソンを上回り、世界最大の通信機器メーカーになったと報じられている。

華為技術はスマートフォン市場で韓国・サムスン電子、米アップルに次ぐ地位を獲得しつつある

 もちろん、記事に目を通すことで、こうした疑問はすぐに解消された。今回、首脳陣らの賞与がゼロとなったのは、参入して間もない企業向け情報システム部門などの業績が目標に届かなかったためだという。

 同社の規定では本来、当該部門のトップのみ賞与がゼロになるところだが、同社には「負けたときは命懸けで助け合う文化がある」との理由で、創業者の任正非・最高経営責任者(CEO)を含む幹部全員が賞与を自主的に返上したのだそうだ。数値目標の未達を許さない厳格な姿勢に驚かされると同時に、競争が激しい通信機器市場で同社が急成長を続ける理由を垣間見た気がした。

信賞必罰で透明性アピールとの見方も

 ただし、このニュースには別の読み方もできる。

 ここ最近、頻繁に報道されている通り、華為技術をめぐってはダンピング(不当廉売)の疑いがあるとして欧州連合(EU)が調査に乗り出しているほか、米国では安全保障上の理由から同社の製品を採用しないよう自国の通信会社などに働きかける動きがある。米国の一部の政治家の間では中国人民解放軍との関わりが指摘されており、華為技術の経営の実態について、多くの人々が懸念を抱いているのは事実だ。

 こうした背景を理由に、華為技術が首脳陣の賞与をゼロにするという決定について、企業の透明性や先進性をアピールするためのある種のポーズだと見る向きがあるのも確か。従業員持ち株制を採用し、上場していない同社が、株主のために経営陣の責任を明確にする必然性はあまりないという意見もあるだろう。

 しかしそれでも、経営陣の信賞必罰を徹底することには、華為技術の経営計画に対する信頼性を格段に高める効果がある。華為技術は今月、今後5年間の年平均成長率を10%とする野心的な経営計画を発表したが、目標管理に厳格な同社だからこそ、達成可能なのではないかという期待感を周囲に与えることができると思うのだ。

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「「中計」の耐えられない軽さ」の著者

白石 武志

白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

日本経済新聞社編集局産業部(機械グループ)、京都支社、産業部(通信グループ、経営グループ)を経て、2011年から日経ビジネス編集部。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長