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IT導入は「空気を読んで」はいけない

東京海上日動システムズ・横塚裕志社長と徹底対談(最終回)

2013年5月29日(水)

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 今回のシリーズでは、東京海上日動システムズの横塚裕志社長と、ITを使いこなすとは、どのようなことなのかを考えていきたいと思います。われわれは、ITの遅れによって、日本の様々な産業が遅れを招いてしまうことに危機感を抱いています。そこでまずは、日本ではあまり理解されていないITの活用法や、その背景を探ります。次に、日本のIT活用が、世界の先頭から2~3周遅れている原因を探ります。

 さらに、最近(と入ってもここ数年ですが)、話題に上ることが多い、ビッグデータへの取り組み方について、議論していきます。ビッグデータというと、日本では、ハードディスクやデータベースを売ることばかり(データをためこむことばかり)、考えられている傾向が見受けられます。そうではなく、ビッグデータを使うことで、どのような価値が生まれ、どのようなサービスを実現できるのかが示されるべきです。

 ITを使いこなすにも、現在の日本は、「ITリテラシー」や「サイエンス・リテラシー」と呼ばれる、科学的な教養に乏しい社会です。この原因や解決策について、考えていきます。

縦割り組織の弊害

横塚裕志氏
東京海上日動システムズ社長。1973年一橋大学商学部卒業、東京海上火災保険(現東京海上日動火災保険)入社。情報システム部長、執行役員IT企画部長などを経て2006年から現職を兼務。2007年東京海上日動火災保険常務取締役。2009年6月同社を退任し、現職に専念

横塚:日本の企業は縦割り組織の弊害もあり、他の部門の人には自分の部門のことを教えたがらない風潮があります。CTOなどが全体を把握しきれていない理由の1つに、こうした縦割り組織の弊害があるような気がします。

 CIOはこうした組織に横串を刺すようにプロジェクトを進めていこうとしますが、一定以上の深い部分には、なかなか入り込めない場合があります。このため、組織に横串を刺して、顧客の価値を創造するビジネスを作り上げようとしても、チームを構成しにくい状況にあります。

 それぞれの部門の代表者が集まってみんなで議論しますが、Webの画面1つ作るにも、製品部門やマーケティング部門からの代表者は、それぞれの組織の意を受けて議論するので、顧客の価値の向上のために、一肌脱ごうという場にはなかなかなりません。

田中:米国では、そのような会議はあまりありません。システムの変更が決まったら、トップダウンで伝わってきます。

横塚:上のレベルで構成まで含めて決定してしまうというのは、日本とは違います。日本の場合、現場から集まって、みんなで考えようという進め方です。

田中:ここにも、日本の場合、上からなんとなく「よろしく」と話が下りてくる進め方が表れています。米国の場合、トップのレベルで構想を固めて、1から100までこのように作ると示されなければ、作り上げることができないのでしょう。

横塚:この構造の差は、決定的ですね。

自分で説明できる論理的思考を身につけよう

田中:また、日本でCTOを務めている方たちの多くは、話の内容が狭いように感じています。

 わたしがIBMに在籍していた時代、本社のCTOと仕事をしていたことがあります。当時のCTOは半導体の研究や開発出身の方でしたが、顧客からソフトウエアの構成などについて尋ねられても、自分で答えることができました。

 また国家の技術戦略から、自社の細かい部分まで、幅広い議論に応じることができていました。その代わり、1日何時間働いているのかわからないくらい働いていましたので、そうした努力に基づくものなのかもしれません。

横塚:常に自分で議論することを繰り返している社会なので、習慣として身についているのかもしれませんね。

 アメリカは、部下に任せて日本のように「よろしく」と言えば完成してくれる環境ではありません。さすがに「よろしく」とだけ言っているマネージャーはいませんが、指針を的確に示すマネージャーが、日本には少ないのが実情です。

コメント1件コメント/レビュー

日本では企業の規模に関わらずよくわかってないのに流行ってるというだけで「乗り遅れるな!」と社員に言う人ばかりです。中には社員も経営のことを知らないとダメだと言う方もいましたが、彼らに自社の技術に関する知識があったかと言うと、全くありません。誰が何が得意なのかも把握していません。お二人のような経営者がもっと増えることになればいいのですが・・・ もし自分がそういう立場になった時、肝に命じておこうと思うます。(2013/05/29)

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「IT導入は「空気を読んで」はいけない」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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日本では企業の規模に関わらずよくわかってないのに流行ってるというだけで「乗り遅れるな!」と社員に言う人ばかりです。中には社員も経営のことを知らないとダメだと言う方もいましたが、彼らに自社の技術に関する知識があったかと言うと、全くありません。誰が何が得意なのかも把握していません。お二人のような経営者がもっと増えることになればいいのですが・・・ もし自分がそういう立場になった時、肝に命じておこうと思うます。(2013/05/29)

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