第1回 デートも営業活動も成功確率は分かります 

 ビジネスパーソンの間で「統計学」がブームになっています。難しそうな学問がブームになることは、過去にも度々起きてきました。心理学、哲学、行動経済学などの本が書店の棚で幅を利かせた時代があります。その時代の空気やビジネスの成功事例の話題などが絡み合って、普段はあまり関心を持たれないアカデミックな世界が脚光を浴びる。そこに何らかの答えやヒントを探そうとする人が増えるのです。

 今起きている統計学ブームは、この1~2年のキーワードである「ビッグデータ」「データサイエンス」の背景にある学問として、その基礎知識を知っておきたいと考えるビジネスパーソンが増えたということでしょう。ブームを加速したのが、今年1月に発売された『統計学が最強の学問である』(西内 啓著、ダイヤモンド社)という本のヒットです。

 かくいう私も、統計学に関する本をちょうど出したところです。その名も『仕事に役立つ統計学の教え』(日経BP社)。この本は、2012年7月に上梓した『「計算力」を鍛える』(PHPビジネス新書)で、確率や統計をカンタンに解説したのが執筆のキッカケになりました。結果を求められるビジネスパーソンの関心事である「どうしたら成果を伸ばせるのか」という疑問に対して、私なりの解釈で「統計学の教え」を説いたものです。

 私は、外資系石油会社の営業からスタートして、米シカゴ大学経営大学院でMBAを取得して、コンサルティングの世界に入りました。その経験を踏まえて、営業やマーケティングの現場で日々結果を追い続けている人を念頭に、統計学の啓蒙書として書き下ろしました。

 このコラムでは、『仕事に役立つ統計学の教え』の一部を紹介します。1回目の今回は、正規分布や偏差値といった統計学の初歩をおさらいしながら、結果を出すための統計的な考え方を提案したいと思います。

世の中は正規分布でできている

 世界は不思議にできていて、世の中の多くの物事が、図表1のような正規分布になります。テストの成績、身長や体重、株価の上下、自然現象の発生度合いなどが、このような分布で分散します。大げさに言うと、宇宙の事象は正規分布になるように創られているのです。これを逆手に取って正規分布で身の回りのことを理解すると、面白く、厳しく、そして救いのある人間社会の姿が見えてきます。そうすると、過剰な期待や、不必要な悲観論で一喜一憂せず、ビジネスの可能性を冷静に感じられます。

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著者プロフィール

斎藤 広達

斎藤 広達

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

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いただいたコメントコメント15件

タイトルも内容のまとめ方も上手です。楽しめました。堅苦しいコメントが多いですが、きっと少数派です。正規分布のうち18%に該当する「この記事が嫌い」に属している方々だと思われますので、このまま続けてください。次を楽しみにしています。(2013/05/18)

世の中の人、特にマスコミ関係者があまりにも統計学を知らないことを日ごろから嘆いています。この記事を読んでも強くそれを感じます。まさか、正規分布の説明から始めるとは、経済の話を始めるときにお金とはから始めるようなものではないですか。正規分布や偏差値は高校で学ぶ内容ですよ。復習としての説明ならわかりますが、まずここからというのは、今の日本の現状を表していますね。△統計学をしっかり理解してもらわないと、放射性物質の影響の話も、失業率や、年金の話も、正しく理解できないのですよ。ビッグデータを語る前に、ちゃんと保険を買ことが出来るのでしょうかね。しかも理解をするのは啓蒙程度では難しいと思います。筆者には少しでも理解できる人が多くなるように頑張ってもらいたいです。(2013/05/14)

コインを投げコインが表か裏になる確立はそれぞれ1/2、しかし次が必ず表か裏になるかまでは分かりません。それを理解しないで統計(確立)を無闇に信仰するのはいかがなものかと。統計詐欺とか出てきそうだな(2013/05/14)

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