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化粧品がコモディティーになる日

変わる業界の勢力図

2013年5月13日(月)

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 お手軽さとコストパフォーマンス――。最近の化粧品業界で、ヒット商品の共通点は何と言ってもこの2つだ。

 2012年に国内販売が好調だった商品を見ると、「パレットに入っている順にまぶたに重ねていくだけで印象的な目元になる」というアイシャドーなど、分かりやすさを売りにした商品や、「BBクリーム」のように多機能を1つにまとめた「時短化粧品」が目立つ。消費者にとって、化粧品に求めるものが変わり、コモディティー化していることが、業界内の勢力図を塗り替えるきっかけになりつつある。

 かつて、化粧品は女性にとって、おしゃれをして気分を盛り上げるための嗜好品だった。しかし、特に1000~5000円程度の低~中価格帯の化粧品ユーザーにとっては、今やいかに簡単に、お手軽に化粧するかに関心が移っており、化粧品のコモディティー化が進んでいる。2008年のリーマンショック後の景気低迷で財布のひもが締まったことで、こうした流れは加速した。

 消費者の変化に対応するため、化粧品メーカーも戦い方を変えている。ブランドイメージよりも、性能が求められる中で、派手なテレビコマーシャルを打っても、以前ほど消費者が反応しなくなった。

 口コミなどを調べて店頭でもしっかりと試す人が増える一方、忙しくてぱっと目に入った商品を購入する人も多い。どちらにしても、店頭でいかに目立って効果などを訴えられるかが勝負を分けるため、化粧品メーカーの間では、小売りに対する営業力強化の動きが強まっている。

「花王の後塵を拝している」と資生堂は危機感

 成果が最初に表れたのは花王と、同社傘下のカネボウ化粧品だ。花王は自前の販社を抱えているため、もともと洗剤など日用品の販売力に定評がある。この販売力を生かし、化粧品でもドラッグストアや総合スーパー(GMS)の棚で目立つ位置を確保。商品の絞り込みを進めて販売促進費や広告宣伝費を効果的に投下したことも手伝い、2011年度以降、化粧品事業の立て直しで先行した。

 花王グループの後に続いたのが、コーセーだ。2012年度以降、約10のドラッグストアやGMSを重点取引先と位置づけ、営業を強化した。ドラッグストアの化粧品売り場で、ぱっと目立つ位置にコーセーの商品が並ぶことが増えていると感じる。この戦略が実を結び、コーセーは2013年3月期、5期ぶりに増収増益を確保した。

 こうした流れに乗り遅れた資生堂も、巻き返しを図る。詳細はまだ明らかにしていないが、2013年度中に小売りとの関係を強化するための専門子会社を立ち上げるという。前田新造社長自らが、「花王の後塵を拝している」と決算説明会で認めるほど危機感は強い。2013年度は化粧品メーカーの棚取り合戦が一層熾烈になりそうだ。

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「化粧品がコモディティーになる日」の著者

中 尚子

中 尚子(なか・しょうこ)

日経ビジネス記者

日本経済新聞入社後、証券部で食品やガラス、タイヤ、日用品などを担当。財務や法務、株式市場について取材してきた。2013年4月から日経ビジネス記者に。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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