• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

予定利率引き下げはもう避けられない!?

外債シフトでも八方塞りの生保運用

2013年5月14日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 「枠は今年度、どれくらい増えるのですか」「今後国債の金利がどの程度動いたら外債にシフトするのですか」。4月下旬に国内の主要生命保険会社が年次運用計画を発表した際に相次いだ質問だ。4月4日に日銀が発表した大胆な金融緩和でこれから生保はどう動くのか。金融市場では「ザ・セイホ」の再来がささやかれていただけに、ここ数年にはないほどの注目が集まった。

 ポイントは運用資金の約半分を占める国債の比率を圧縮し、外債投資へシフトするか否か。日銀は超長期の国債を含めて新規発行国債の7割を買い取ると発表した。さらなる金利低下で、国債で運用益を得るのは一層難しくなる。

 総額約300兆円といわれる生保マネーが外債投資へ動けば、一部といえども市場へのインパクトは大きい。為替市場で円安がさらに加速する可能性もある。主要生保9社の外債買い増し額は計1兆円規模となる見込みだ。

 しかし筆者は各社の説明会に足を運ぶ中で、質問に答える運用責任者の表情がどこか自信なさげなのが気になった。第一生命保険の説明会では、会見終了後に「もっと具体的に方針を説明してほしい」としつこく詰め寄る記者に対し「勘弁してください。私たちもこれから市場がどうなるのか分からないのです」と、本音を漏らす場面にも遭遇した。

 運用担当者の表情の裏にあるものは何か。筆者を含め、質問する記者のほとんどは外債の方が国債よりも利回りが高いことを前提として質問をしている。しかし本当はそれほどでもないのではないか。外債だ、外債だという割には、外債でどの程度利回りがかさ上げされるのか詳細に伝えられていない。筆者は、ライフネット生命社長で『生命保険入門』の著者でもある出口治明氏に疑問をぶつけてみた。出口氏は開口一番「外債投資のニュースは、生保が抱えている構造的な問題を議論せずに考えてはならない」と話す。「あなた、一から問題を整理してごらんなさいよ」。背中を押された筆者は、現在の生保運用で何が問題になっているのか考えてみることにした。

達成できない利回り

 そもそも、生保は毎年何%の利回りを見込んで運用しているのか。そして実際に達成できた利回りは何%なのか。これらの問題を考えるためには、生命保険の仕組みを理解しなければならないだろう。

 生保の運用資金は、簡単に言えば予定利率の異なるさまざまな生命保険商品から構成される積立金をまとめたものである。契約した保険金を支払うためには、あらかじめ決められた利率で運用しなければならない。これが「予定利率」だ。生保の運用は、個々の保険商品で契約者に保障している予定利率を加重平均した「平均予定利率」を目指した運用を行う。

 ニッセイ基礎研究所によると、2011年度の大手・中堅9社の平均予定利率は2.64%。最近の保険商品は利率が良くてもせいぜい1.5%程度だが、一昔前は養老保険など利率4~6%の「お宝保険」がゴロゴロあったため、全体の平均値は高くなっている。

 この平均予定利率に対して、実際の運用で得られた利回りは2.44%だった。その差0.2%。つまり平均予定利率を達成していないのである。

コメント0

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「予定利率引き下げはもう避けられない!?」の著者

武田 安恵

武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

大学院卒業後、2006年日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部を経て、2011年より日経ビジネス編集部。主な担当分野はマクロ経済、金融、マーケット。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

機械を売るんじゃなくて、電気が欲しい方に電気が起きる装置をソフトも含めて売るビジネスをしていこうと。

田中 孝雄 三井造船社長