• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

実は知らない「給料」が決まるホントのルール~生きる経費とは?~

給料に影響する社会の「通念」と「構造」の変化

2013年5月16日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 マルクスの『資本論』の論理で考えると、労働者の給料は、労働力の“価値”を基準にして決まります。その労働力の価値とは、「明日も同じ仕事をするために必要なコスト」を積み上げた金額になります。

 ここで給料明細に書かれている「手当」の意味を、改めて考えてください。

 通勤手当は、「あなたが明日も働くためには、電車に乗って会社まで来なければいけませんね。その費用を会社が負担します」という意味です。仕事をするために必要な「経費」なので、会社から支給されるのは「当然」と、誰もが考えています。

 これと同じようにほかの手当を見てください。

 住宅手当は、「明日も働くためには住む場所が必要ですね。だから住宅を用意しましょう」といって、会社がみなさんにお金を支給している、ということです。家族手当は、「あなたが明日も働くためには、家族をちゃんと養っていかなければいけません。だから、扶養家族が増えたらその分を上乗せして支給しましょう」という意味です。子女教育手当は、非常に古臭い言葉遣いですが、要するに子どもの教育費です。「子どもに学費がかかりますね。その分を支給しましょう」ということです。

 資格手当は、「その資格(知力)を得るのにお金や労力がかかったでしょう。だからあなたの労働力の生産コストが上がりました。その分を支給しましょう」というものです。役職手当、残業手当も同じです。役職に就けば「それだけ必要な精神的エネルギーが増えますね。では、その分を」「残業したら、より体力を消耗しますね。じゃあ、その分を」といって、会社が支給しているのです。

 これこそが、いまの日本企業で、『資本論』の理論通りに給料が決まっていることの証なのです。

重要なのは、「社会通念」

 ここでもう1つ、重要な指摘をしておきます。

 給料のベースになっている、「労働力の生産コスト(明日も働くために必要な経費)」は、“社会通念上”で計算されています。つまり、Aさん、Bさん、Cさんの個別事情は考慮せず、「この社会において、食費はこれくらいかかるだろう、住居費はこれくらいだろう、娯楽費も社会通念上これくらい認められるべきだろう」というように決まっているのです。

 Aさんが「オレは大食いだから、食費分としてもっともらうべきだ!」と主張しても、そんな理屈は通りません。会社にとって、それは関係ないのです。あくまでも、その社会で平均的に必要な額が「必要な額」として認められ、給料に組み込まれます。

 とすると、逆に考えれば、その「社会通念・社会平均」が変われば、考慮される「必要な経費」も変化するということなのです。

 例えば、かつては働き始めて数年がたつと、マイカーを持つのが「ふつう」とされていました。もし労働者として生活するのに、(気分的に)クルマが必要だとしたら、買えるように会社が自動車購入費を渡さなければいけないのです。

「今までで一番やさしい経済ニュースの読み方」のバックナンバー

一覧

「実は知らない「給料」が決まるホントのルール~生きる経費とは?~」の著者

木暮 太一

木暮 太一(こぐれ・たいち)

経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト、社団法人教育コミュニケーション協会の代表理事として、相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、企業・大学向けに多くの講演活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

変化を受け入れやすい組織体質があればビジネス上の“地殻変動”が起きた際にも、他社に半歩先んじられる。

井上 礼之 ダイキン工業会長