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成長戦略の要となるエネルギー政策

日本の危機対応能力を高めることが成長につながる

2013年5月17日(金)

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 政府は「2013年度夏季の電力需給対策について」を4月26日に取りまとめた。経済産業省の総合資源エネルギー調査会総合部会の下に設置された電力需給検証小委員会が、3月22日から4月23日まで4回にわたり検討し、取りまとめた報告書を踏まえて決定された。

数値目標なしの節電要請

 今夏の対策では、「具体的な数値目標を設けない節電要請」が、沖縄電力を除く全国9電力会社に対して行われることとなった。期間は7月1日から9月30日までの平日で、9時から20時までの時間帯。数値目標を設けないということは、目標を達成できない場合のペナルティもないということである。各電力会社による対策、産業界や家庭などでの節電の定着、万が一の需給逼迫時の備えなどが十分であることを見込んでのことだ。

 最も厳しいと考えられる8月の関西電力管内でも、最低限必要な予備率3%を確保できる。また、周波数60ヘルツの中部および西日本の5電力(関西、北陸、中国、四国、九州)では予備率5.9%を確保でき、万が一の需給逼迫時には地域間融通で対応できる。

 ただし、発電所の事故などによる電源脱落で、過去5年間に起こった最大級のものは644万キロワットである。これと同規模の電源脱落が発生した場合は、随時調整契約の発動による需要抑制や、周波数変換装置(FC)を通じた東日本からの融通などの対策が必要になる。これらを実施しても、中部および西日本の予備率は2.1%にまで低下してしまう。こうした緊急時には、さらに踏み込んだ対策を実施しなくてはならない。

 今夏の対策については、昨夏の前政権による対策よりも3週間以上早く決定された。これは、産業界からの要請に応えたという面がある。政府の方針が決まらないと、産業界も具体的な対策を決められないからだ。昨夏は、関西電力の大飯原発3、4号機の再稼働もあり、7月にも政府による対策の改定があった。これが、特に西日本で、産業界による対策に大きく影響した。

 前回の本コラムで、「節電要請の議論は慎重にすべき」と述べた。私が委員長を務めた電力需給検証小委員会では、事務局の準備した精緻なデータと、委員のみなさんによる的確な議論によって、慎重かつ迅速に報告書を取りまとめられたものと自負している。議論のベースとしたデータは、十分に安全をみて推計した。徹底した調査に基づき、供給力や節電の定着率などは低めに、需要量や万が一の電源脱落などは高めに、慎重に見積もった。景気回復による需要増も考慮している。

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「成長戦略の要となるエネルギー政策」の著者

柏木 孝夫

柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授

経産省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長、同調査会基本政策分科会の委員を務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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