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バングラデシュは「世界の縫製工場」の座を守れるか

外資企業の最貧国撤退は正しいのか

2013年5月16日(木)

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 4月24日、バングラデシュの首都ダッカの近郊で8階建てのビルが崩落した。このビルには主に縫製工場が入り、多数の労働者が働いていたという。崩落によって1000人以上が亡くなり、けが人も2400人以上に達した。事故から約20日経った5月13日には、軍による生存者の救出活動も終わった。

 崩落したビルは違法な増築をしており、かねてから労働者はビル内での作業を嫌がっていたとも報じられている。事故の起こった4月24日には、工場内で停電が起こった。この停電から復旧した直後、工場内のミシンが一斉に振動したことが、崩落の原因と見られている。

 事故を受け、首都ダッカでは、労働環境の改善を求める労働者によるデモが相次いだ。工場の安全性を確認するため国が一時的に工場を閉鎖させるなどの対応策も取られたという。

 ビル崩落の一報を受けた際、私は正直、「やはり起こったのか」という印象を受けた。昨秋に、取材でバングラデシュの縫製工場を回り、「いつか事故が起こるのでは」という一抹の危惧を抱いていたためだ。

ダッカ市内の様子。舗装されていない段差のある道路が多かった(撮影:井口和歌子、以下同)

 昨秋、バングラデシュを訪れて最初に感じたのは、何よりも「貧しい」という事実だった。

 これまでにも、インドネシアやタイ、ベトナムといったアジアの国々には訪れたことがあった。だがバングラデシュはそれらの国々と「貧しさ」のスケールが違った。

 車道はクルマと力車で溢れている。これはほかの国も同じだろうが、そこには他国で見たような一定レベルの交通マナーが存在しない。車線の概念もない。

 クルマ2台分の車幅の道路に、その倍のクルマがおしくらまんじゅうのように、ひしめいていた。当然、慢性的な渋滞が起こり、それぞれのクルマはひたすらクラクションを鳴らし続けている。道路にはあらゆる場所に段差があり、そこを通るたびにクルマが大きくひずむ。

 ダッカでの移動は、取材先のクルマに便乗させてもらった。どのクルマも窓にスモークが張り、そのうえでレースのカーテンを引いていた。

 理由を問うと、物売りや物乞いの対策なのだという。

 ダッカ市内では慢性的な渋滞が続く。クルマが速度を落とし、止まるたびに、現地の物売りや物乞いたちが車窓を覗くという。当初は窓にスモークを張っただけだったが、これでは物売りや物乞いが窓にぴったりと顔をつけて中を覗き込む。そこで仕方なく、カーテンまで取り付けたのだという。

ダッカ市内の中心街は常にクルマで込み合う

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「バングラデシュは「世界の縫製工場」の座を守れるか」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネス記者

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・鉄道業界や小売業界などを担当する一方、書籍編集なども手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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