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さようなら、アトランティス

2013年5月16日(木)

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 アトランティスが見つかった、というので大騒ぎになっている。

 と、思いきや、大元の発表や記事をよくよく読めば、大騒ぎをしたのは例によって一部公共放送や新聞社であったらしい。

 5月7日リオデジャネイロ発、共同通信配信の記事(リンク先は日本経済新聞)によれば

 ブラジル・リオデジャネイロ沖の大西洋にある海底台地で、陸地でしか組成されない花こう岩が大量に見つかり、かつて大西洋上に大陸があったことが判明したと、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)とブラジル政府が6日発表した。「アトランティス大陸のような陸地が存在した極めて強い証拠だ」としている。

 という書きだしで、その後にアトランティスの解説が続いている。
 記事を読めば、もちろんアトランティスというのは比喩であり、現実にそういう可能性はないことが(はなはだ残念ながら)ちゃんと書いてある。

 大元のJAMSTEC=海洋研究開発機構のプレスリリースはさらに地味であり、ソコダラとか深海ナマコとかイソギンチャクモドキとかラゴンとかノンマルトの微笑ましい写真ばかりで、世紀の発見的な緊張と興奮は、まったく伝わってこない。

 これはまあ、どの記事やニュースを見ても、最終的にはそのようなことに帰結しているのだが、しかし、媒体によっては「アトランティス」という言葉が、単なる比喩の枠を超えて一人歩きし、「しんかい6500による世界初の南大西洋の有人潜水船による潜航調査」「大陸移動の重要な手がかり」という、本来それだけでじゅうぶん価値のあるニュースが、どっかへかすんでいってしまっている感がある。

 中でも、筆者の見る限り、いちばんはしゃいでいたのはNHKだった。

 夜7時と9時のニュースで「アトランティス」という言葉を全面的にフィーチャーし、ヘッドラインでも「太古の昔、海に沈んだとされる伝説の大陸アトランティス発見か?」と煽っていた。

 ニュース動画はもう消えているようだが、ここに解説記事が残っている。

 冒頭のツカミに使うのはいたしかたないにしても、中盤で真面目なレポートに結びつけたかと思いきや、記事のまとめは、またアトランティスの話題中心で終わっている。よっぽど担当者はアトランティスの話がしたかったのだな、ということがわかる。

 ニュースウォッチ9では、さらに、庵野秀明氏が総監督を務めた、アトランティスも登場するNHKのアニメ「ふしぎの海のナディア」の紹介や、なんと学研「ムー」誌編集長の談話まで登場し、アニメファンや超常現象クラスタを色めき立たせた。

 久保田祐佳アナまで「ナディア大好き」発言が飛び出す始末だ。

コメント6

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「さようなら、アトランティス」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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