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日本に必要なのは、簡単な「キャリア倒産」だ

起業活性化のカギは、二重の「たたみやすさ」

2013年5月21日(火)

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 本連載では、米ビジネススクールで助教授を務める筆者が、海外の経営学の最新事情を紹介していきます。

 さて、私は昨年『世界の経営学者はいま何を考えているのか』(英治出版)という本を刊行したのですが、そこで好評だったのが、リアル・オプションという考えを事業計画に応用することを紹介した章でした。

 リアル・オプションの事業計画とは、「事業環境の不確実性が高いときには、慎重に計画をたててから巨額の投資をするよりも、まずは早く部分的に投資をして、その後で必要なら段階的に追加投資した方がよい」という考え方です。この方が、(1)事業環境が悪化した時のリスクを減らしながら、(2)他方で上ぶれ(=事業環境の好転)のチャンスを逃さないのです。

 特に重要なのは(2)の点です。 不確実性のある事業環境では、人はそれを「リスク」と見なしがちです。例えば「今後の成長率は20%かもしれないが逆に3%だけの可能性もある」というような不確実性の高い市場では、3%の方に目が行きがちなものです。

 しかし「不確実性が高い」ということは、上ぶれのチャンスが大きいということでもあります。もし段階投資ができるなら、万が一下ぶれた際のコストをあらかじめ減らしておける一方で、上ぶれのチャンスをつかむ可能性も残せます。このようにリアル・オプションの考えは、段階投資によって「投資オプション」を作り出すことで、不確実性が高いということはむしろチャンスも大きい(=オプション価値が高い)、ということを気づかせてくれるのです。(より詳しくは、拙著をご覧下さい。)

 しかしながら、実はこの「事業計画への応用」は、世界の経営学で議論されている数多いリアル・オプション理論の1つでしかありません。そこで今回は、拙著では紹介できなかった応用例として、現ユタ大学の巨匠、ジェイ・バーニー教授が提示した、たいへん興味深い、そして日本にも示唆に富む研究を紹介しましょう。

バーニー教授のオプション理論

 経営学を少しかじられた方なら、バーニー教授の名前はご存知かもしれません。拙著でも紹介している「リソース・ベースト・ビュー」という理論フレームワークを確立し、米ハーバード大学のマイケル・ポーター教授と並んで、経営戦略論の分野ではもっとも有名な学者の1人です。

コメント10件コメント/レビュー

日本ではまともに起業すると命まで担保に入れるよう場合が多いので、かなり根性のある人でないと、敗者復活戦どころか最初の挑戦にも至らない。そこで、撤退の判断方法ややり方までも含めて、筆者は部分投資として考えているということでしょうか。例えば、当初の事業規模を考えたら、開始当初は企業家本人の3割くらいの力(つまり現職は維持しながら)で、資金も全体の1/3くらいの投下で始める。それで開始して判断期間内にそれ以上の労力や資金が必要な状況になったら撤退、また判断期間を乗り切っても目標利益を達成しなければやはり撤退。そして企業関係者、雇人、取引先にもそれを明示してから事業をはじめ、きれいに終われるように合意を作ってから起業すると良い。こんなことと、その詳細をこれから筆者が記事にすることを期待します。(2013/05/24)

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「日本に必要なのは、簡単な「キャリア倒産」だ」の著者

入山 章栄

入山 章栄(いりやま・あきえ)

早稲田大学ビジネススクール准教授

1996年慶応義塾大学経済学部卒業。98年同大学大学院経済学研究科修士課程修了。2008年、米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得、米ニューヨーク州立大学ビジネススクール助教授を経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

日本ではまともに起業すると命まで担保に入れるよう場合が多いので、かなり根性のある人でないと、敗者復活戦どころか最初の挑戦にも至らない。そこで、撤退の判断方法ややり方までも含めて、筆者は部分投資として考えているということでしょうか。例えば、当初の事業規模を考えたら、開始当初は企業家本人の3割くらいの力(つまり現職は維持しながら)で、資金も全体の1/3くらいの投下で始める。それで開始して判断期間内にそれ以上の労力や資金が必要な状況になったら撤退、また判断期間を乗り切っても目標利益を達成しなければやはり撤退。そして企業関係者、雇人、取引先にもそれを明示してから事業をはじめ、きれいに終われるように合意を作ってから起業すると良い。こんなことと、その詳細をこれから筆者が記事にすることを期待します。(2013/05/24)

辛口コメントが多いですが、私は全面的に賛同します。加えて転職経験の多さをマイナスと捉える日本の風土も起業へのハードルを上げていますよね。私は転職経験が多いからか、同じ企業でずっと長年務めていた人の弱点をよく目の当たりにします。(2013/05/22)

自分もコメントに有るとおり、融資する側に、圧倒的に目利きが無く、自分の見識の無さを、失敗時に個人的に追いつめてまで、損失を回収しようとする事が、チャレンジし難い、失敗したら終わりの最大の問題だと思う。この記事で言うなら、融資する側が倒産すればいいのではない?しかし、会社に限らず、投資詐欺なども見てると(そんな旨い話がそうそうあるもんか)、日本では投資が下手なんだと思う。金を預ける判断と責任がいい加減。その割りに全てを失うと首を括りかねない量まで預けるリスクについて考えているのか。その辺ですかね。(2013/05/21)

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