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「製品は工芸品のようでなければいけない」

松下幸之助を「もの」で見る

2013年5月23日(木)

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 茶の湯の席で、手にした器をじっと眺める。左右の手のひらを合わせたくらいの小さな空間の中に、肌合いや色彩の微妙な変化がぎっしり詰まった小宇宙が見える。パナソニックの創業者、松下幸之助(1894~1984年)は、おそらく何度もそんな経験をしたに違いない。裏千家の宗匠、淡々斎や鵬雲斎を招く茶事を行ったほどの数寄者でもあった幸之助。東京・汐留のパナソニック汐留ミュージアムで開かれている「幸之助と伝統工芸」展は、希代の実業家の横顔を「もの」で見せてくれる。

初めて本格的に披露される幸之助のコレクション

 幸之助の工芸品コレクションが本格的に披露されるのは、初めてという。人となりが語り尽くされていても不思議はない人物なのに、少々意外だ。独自の経営哲学を持っていた幸之助は、伝統文化とはどのように向き合ったのか。なぜ対象が工芸品だったのか。そこには何か今の産業界を活性化させるヒントがあるのではないか。疑問はいつしか期待に変わり、両者のかかわりを見つめたくなった。

 山口県の萩に窯を構えていた三輪休和(十代三輪休雪)の「萩茶碗(はぎぢゃわん)」、近代漆芸の雄、松田権六の「ちどり蒔絵平棗(まきえひらなつめ)」、民芸に通じる陶芸作品で魅了する河井寛次郎の「白地花絵扁壺(へんこ)」…。幸之助が集めていたのは、それぞれが人間国宝級の作家による力作だ。会場では多くの作品が1点ずつ独立したショーケースに収められ、点在する島のように配置されていた。

三輪休和「萩茶碗」
1967~74年頃、パナソニック株式会社蔵
石黒宗麿「彩瓷壺 晩秋(さいじつぼ ばんしゅう)」
1959年頃、パナソニック株式会社蔵

 島と島の間を巡りながら、「希代の実業家は、美を見極める眼力をも持ち合わせていたのだな」と感心する。しかし幸之助は経営の神様とまで言われた人物。単なる道楽でこれらの工芸品を集めたのか。そんな問いを発し、幸之助の目を憑依させるくらいのつもりで接し始めると、作品の見え方が変わってくる。

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「「製品は工芸品のようでなければいけない」」の著者

小川 敦生

小川 敦生(おがわ・あつお)

多摩美術大学美術学部芸術学科教授

日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社後、日経アート編集長や同社編集委員を経て、日本経済新聞社文化部へ。美術担当記者として多くの記事を執筆。2012年4月から現職。専門は美術ジャーナリズム論。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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