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求む、真のワールドシリーズ

プロ野球の国際化を考える

2013年5月24日(金)

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 「好きな野球をネット裏のいい席で見て、好き勝手に書いて稼ぐ幸せな男」。よくこう言われた。愛する野球の取材を生涯の仕事にしたのだから、言われるとおりに幸せな人間であることは認める。愛しているからこそ、野球は「正しく、たくましく、楽しい」大衆娯楽であり続けてほしいと思う。

 そんな思いを込めて、この連載を始める。と言っても、突っ張って理屈をこねようとは思わない。居酒屋での楽しい野球談議のネタになるような話題を届けたい。

 米大リーグ(MLB)のアメリカン、ナショナル両リーグのチャンピオンだけで争う選手権試合が「ワールドシリーズ」と呼ばれている。我が日本のプロ野球(NPB)の「野球協約」は、冒頭で「世界選手権を争う」とうたっているが、いまだに出場していない。日本シリーズの勝者も加わる“真のワールドシリーズ”が行われるのはいつの日か。

 「ヤンキー・ゴーホーム」とヤジを飛ばした観客と、1962年と63年のパ・リーグ首位打者ブルーム(近鉄)が言い争ったことがあった。差別的な暴言は許されないが、今ではそれが的外れのヤジになることが多い。現在、セ、パ両リーグでプレーする外国人選手の国籍は、米国以外にドミニカ共和国、ベネズエラ、台湾など11カ国・地域に及ぶ。

 65年から73年まで、川上哲治率いる巨人はV9を達成した。61、63年と合わせて11回も日本一になったが、61年にハワイ出身の日系2世、エンディー宮本敏雄がいた以外は、すべて外国人選手抜きで勝ち取ったものだった。“純血”の勝利と誇らしげだったが、今の巨人は他球団と同じに外国人選手もウエルカムだ。

 今季はボウカー、ロペスら6外国人を抱えており、国籍は米国、カナダ、ベネズエラ、パナマ、台湾と多彩。ドラフト制の下では、巨人といえども外国人抜きでは戦えない。

 ちなみに、外国人嫌いと言われた川上だが、「戦力を欲しがらない監督などいない。私は何度も外国人獲得を要望したが、不要とする読売本社と球団の方針に従うほかなかった」と辞任後に述懐した。

高校野球にも触手を伸ばす大リーグ

 政治、経済の世界と同じように、我が球界も米球界の動向に左右される。米大リーグはア、ナ両リーグ各8球団、合わせて16球団から現在の各15球団の30球団に膨れ上がった。これに伴う人材不足をカバーするため、中南米からどんどん選手を獲得した。それだけにとどまらず、95年の野茂英雄(近鉄)のロサンゼルス・ドジャース入りをきっかけに、アジアの選手にも目を向けるようになった。

 日本人の大リーガー第1号は64~65年にサンフランシスコ・ジャイアンツで投げた村上雅則(南海)だった。2年間で5勝1敗9セーブを記録したが、当時はまだ日米両球界の力の差は大きく、第2号の出現はいつのことやらと見られていた。

 ところが、ド軍入りした野茂の大活躍である。渡米初年にオールスター戦のナ・リーグ先発投手を務めたし、新人王にも選ばれた。

 これに触発された日本のスター選手が、次々に大リーグを目指すようになった。最高の舞台であるし、年俸や待遇も恵まれている。イチロー(オリックス)や松井秀喜(巨人)らのスーパースターにとどまらず、1ランク低いクラスの選手も渡米するようになった。

 プロ選手だけでなく、社会人野球の選手や高校球児も日本のプロ野球を経ずに米球界を目指した。日本の2軍より条件の悪いファームで頑張る選手もいる。社会人野球の新日本石油ENEOSから米球界へ飛び込み、苦闘の末にボストン・レッドソックスで投げるようになった田沢純一のようなケースが励みになっている。

 高校球児では、「二刀流」に挑戦している大谷翔平(花巻東高―日本ハム)が周囲の説得で渡米を思いとどまった。だが、大リーグ各球団は春夏の甲子園大会にスカウトを送り込むなど、よく訓練された日本の高校球児に執着している。今春の甲子園で5試合、772球を投げた済美高校(愛媛)の安楽智大も大リーグが注目する選手の1人。まだ2年生だが、来年は大谷騒動と同じように日米争奪戦が繰り広げられるだろう。

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「求む、真のワールドシリーズ」の著者

浜田 昭八

浜田 昭八(はまだ・しょうはち)

スポーツライター

アマからプロまで野球一筋半世紀という超ベテランのスポーツライター。現場取材にこだわり続けて、今日も記者席から白球を追う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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