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定年延長の“心理学”

延長雇用でプライドずたずた

2013年5月23日(木)

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 2013年4月から改正高年齢者雇用安定法の施行により、65歳まで希望者全員が働き続けられるよう、企業に義務付けられた。ところが、シニア社員が「不活性社員」となるケースも少なくない。シニア社員の心理も踏まえて、やる気を引き出すような仕組みづくりが求められている。

 自分が築いてきたものが、どんどん壊されていくのに我慢ができなかった――。

 地方の中堅菓子メーカーで部長として勤め上げたAさんは、60歳定年を機に契約社員となり、元の職場で働くことを決めた。

 Aさんいわく「仕事がまったくできない後輩が、自分の部長ポストの後任となり驚いた」。60歳以降は、彼の下で1スタッフとして働く日々。自分が部長時代に苦労して会社に認めてもらったプロジェクトがどんどん廃止されていく。しかし、現部長の指示には従わざるを得ない。ついに我慢ができず、2年を残して退職。定年後の収入は、現役時代の約6割の400万円強。あと2年いれば生涯収入は1000万円アップする、という考えが頭をよぎったが、我慢の限界だった。

 定年後の延長雇用では多くの場合、肩書、賃金、やりがいを失っていきがちだ。「50代半ばからキャリアは横ばい、そして下降へ。シニア社員として活躍し続けるには、実は高度なヒューマンスキルが必要となる」と、キャリア研修を数多く手がける日本マンパワー取締役の片山繁載さんは言う。

 自分が職場に残した財産で後輩たちが活躍するのを、脇に退いて心から喜ぶことができるか。後輩の若い上司を輝かせるために、自分は支える側に回れるか。気持ちを切り替える必要がある。「実は、7~8割の人が内心面白くないと思っている。心から納得できないと体調も悪くなりがちだ」(片山さん)。結局、延長雇用2、3年で職場を去る人も少なくない。

肩書失い「衣をはずされた天ぷらの海老」状態に・・・

 「天ぷらの海老の衣」症候群――。定年後に肩書を失っても、その現実に気づかない人のことを片山さんはこう表現する。

 肩書による「ポジションパワー」は、人を実力以上に大きく見せる。いわば天ぷらの海老に衣がたっぷりついた状態だ。肩書を失い衣がはがれると、海老が意外に小さいことに驚くことがある。ところがそれに気づかないまま、定年後も「上司風」を吹かせる人もいる。

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「定年延長の“心理学”」の著者

野村浩子

野村浩子(のむら・ひろこ)

ジャーナリスト・淑徳大学教授

日経ホーム出版社(現日経BP社)で「日経WOMAN」編集長、女性リーダー向け雑誌「日経EW」編集長などを歴任。日本経済新聞社・編集委員などを経て、2014年4月から、淑徳大学人文学部表現学科長・教授。財政制度等審議会委員など政府審議会委員も務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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