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「乙武炎上」にみる、日本人の不寛容さの理由

余裕と「マイノリティ経験」が人を寛容にする

2013年5月22日(水)

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 突発的な出来事には、その偶然性だけによらない何らかの貴重な情報が含まれている場合が多い。

 数日前にあった、『五体不満足』で知られる車いすの元スポーツライター、乙武洋匡さんのTwitterでの「騒動」についても同じことがいえるかもしれない。ここでは、「思いやり」や「他者に対する寛容」というテーマで本件について考えてみたい。

 事実の概要は次の通り。5月18日の夕方、乙武さんは次のようにツイートした(店名は伏せています)。

 “今日は、銀座で夕食のはずだった。XYZというイタリアンが評判よさそうだったので、楽しみに予約しておいた。が、到着してみると、車いすだからと入店拒否された。「車いすなら、事前に言っておくのが常識だ」「ほかのお客様の迷惑になる」――こんな経験は初めてだ。

 お店はビルの2階。エレベーターはあるが、2階には止まらない仕組みだという。「それはホームページにも書いてあるんだけどね」――ぶっきらぼうに言う店主。「ちょっと下まで降りてきて、抱えていただくことは…」「忙しいから無理」「……」「これがうちのスタイルなんでね」以上、銀座での屈辱。”

 そして、これに対してのTwitterは大荒れになる。店の対応の悪さに怒り乙武さんを励ます人がいる一方で、乙武さんに対して「事前に確認しておくのが当然」、「店の名前を晒すのはやりすぎではないか」という人々も相当数にのぼった。ざっとTwitterを見る限り、世論は半々といったところか。

 私が乙武さんの立場だったらやはりとても悲しい気持ちになるだろうし、勢い余って店の名前を載せることはあるかもしれない。また、私が店長の立場で、今日の仕事が本当に忙しかったら、ついつい配慮のないことを言ってしまうかもしれない。

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「「乙武炎上」にみる、日本人の不寛容さの理由」の著者

慎 泰俊

慎 泰俊(しん・てじゅん)

投資プロフェッショナル

東京生まれ東京育ち。朝鮮大学校政治経済学部法律学科卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て現在はバイアウトファンドの投資プロフェッショナルとして働く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師