人格形成要素の「半分はフジテレビ、半分は少年ジャンプ」。そんなテレビっ子だったという川邊健太郎氏は、今やヤフー副社長となった。
川邊氏は2009年に動画配信サイト運営のGyaOの社長に就任。それ以降、放送と通信の融合を進める当事者として、GyaOのサイトからテレビ番組への視聴者誘導や、有料の動画配信などといったテレビ局との様々な取り組みを展開してきた。
そんな経験に基づき、川邊氏はテレビ番組を全部ネットで見られるようにすることが、視聴率をV字回復させる最善の策であると大胆な提言をする。この考え方こそ、ヤフー創業以来の理念である「ユーザーファースト」から生まれたものである。
合法的にテレビ文化を変えられないか?

この数年のデジタルコンバージェンスの動きの中で、これから5年後をどう見ているのか。特に川邊さんはGyaOでも社長としていろいろやられていたので、どういう狙いがあって、あのGyaOという形を作り出し、そして今、ヤフーはどうあり、今後どうあろうとしていくのか、その辺りについてぜひお聞かせください。
川邊健太郎副社長(以下、川邊):僕は、そもそも異常なテレビっ子で、だいたい1980年代から90年代前半に培った価値観の半分はフジテレビで、半分は「少年ジャンプ」なんです(笑)。だからインターネットがなかったら、まずフジテレビか集英社を受けていましたね。
だけど、残念ながらネットが現れて、そっちの方が面白くなった。それでこの仕事を選んで、2007年にYahoo! ニュースの責任者になったというのが、私のキャリアにおいて大きな出来事なんですが、同時にテレビ番組表であるYahoo! テレビの責任者も任されていたんですね。そのときに初めてテレビとネットというものについてちゃんと考えるようになった。
ネットの本質はインタラクティブだと思っているので、テレビをいかに外部の立場からインタラクティブなものに変えられるか、ネット的な面白さをどう付け加えられるか。ヤフーとしてやる以上は合法的な形で、みんなが共有しているこのテレビ文化というものを変えられないかなと。
番組表って、ものすごくなじみがあるものじゃないですか。だからまずこの番組表から変えてみようと思った。番組表である番組のボタンを押すと、そのレビューが出てきたり、見たい人が「見たい!」ボタンを押すと合計数を表示できたり、そういうことを単純に無邪気にやりたくて……。
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