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アフリカという「普通の市場」

24時間テレビで見たアフリカの記憶を、そろそろ塗り替えよう

2013年5月24日(金)

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 5月上旬、念願かなってアフリカの地を踏んだ。人生初だ。そこで見たアフリカの今の姿は、正直言って想像を遥かに超えていた。というか、想像とは別の世界だった。確かに、野生のキリンやシマウマを目にする機会もあった(物見遊山に出かける時間はなく、国立公園に隣接する取材先へ向かう道すがらに・・・と言い訳しておく)。それでも、「ここ、アフリカだっけ・・・」と取材中、何度もつぶやいてしまった。

 「アフリカってどんなイメージ?」
現地取材と前後して、同僚たちや友人たちに聞いた。1番多かった答えは、
 「24時間テレビで見たエチオピアの飢餓に喘ぐ子どもたちの姿」

 かくいう私もその1人だった。子供時代に見た映像はセンセーショナルで、20年以上が経過した現在でも、脳裏にくっきりと焼き付いている。広大なサバンナで悠然と生きる野生動物。そして、出口のない貧困にあえぐ人たち。干ばつで農作物は育たず、食うに困る生活。子供たちは教育も受けられず、HIVが蔓延している。日本や欧米諸国による国際援助の対象であり、企業にとっては社会貢献の場である――。

 まだ、アフリカに対してこうしたイメージを持っている人は少なくないだろう。私自身、頭では経済成長率がASEAN(東南アジア諸国連合)並に高いと理解していても、メーン市場はBOP(ベースオブピラミッド)だろうと暗に考えていた。だが、アフリカから戻ってきた今、そんな思いはどこかへ吹き飛んでしまった。

ピンヒールで闊歩する黒人キャリアウーマンたち

 ケニアの首都、ナイロビ。高層ビル群の合間を、スーツを来たビジネスマンが行き来している。ケニアの企業を訪れると女性従業員がとても多い(印象としては日本企業よりもずっと多い)。街中には、ミニスカートにピンヒール、ジャケットという出で立ちのキャリアウーマンが闊歩している。当然ながら、ほとんど全員が黒人だ。

 スターバックスコーヒーのケニア版とも言える「JAVA HOUSE」はどこの店舗もお客が溢れている。価格帯はスターバックスと似たようなもので、コーヒー1杯が日本円で数百円する。ナイロビ市内のカフェでは、ノートパソコンを開く若者たちの姿も、たびたび目にした。

 いまケニアでは中間層が爆発的に増加している。中間層というと、月収が日本円で3万~12万円ほどの人たちのこと。もちろん、1カ月数千円で過ごす人たちも相当数存在する。それでも、「数年前ならJAVA HOUSEでコーヒーを買うのは外国人が多かった。ところが、最近はケニア人ばかり。経済成長を肌身で感じる」とある駐在員は言う。

 デロイトトーマツコンサルティング・アフリカビジネス開発リーダーのジェームズ・クリア氏は、「日本企業はアフリカというと、すぐにCSR(企業の社会的責任)だという。そうではなくて、アフリカで急増する中間層に向けて普通のビジネスをすべきだ」と主張する。

 実際のところ、現地で目の当たりにした企業のビジネスモデルは、ASEANなどの新興国でのビジネスとなんら変わらない。先進国と同じモデルを再現し、成功している企業すらある。

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「アフリカという「普通の市場」」の著者

山根 小雪

山根 小雪(やまね・さゆき)

日経ビジネス記者

日経コミュニケーション、日経エコロジーを経て、2010年1月から日経ビジネス記者。エネルギーを中心に、自動車や素材など製造業を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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