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「低価格選好」は終わるのか?

消費行動の変調に垣間見える物価上昇の限界

2013年6月3日(月)

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 5月31日午前8時30分、総務省統計局から4月の全国消費者物価指数(CPI)が発表された。「アベノミクス」は本当に物価を上昇させることができるのか。そうした問題意識から、市場の内外でこの物価統計への注目度は増している。

 CPIコアと呼ばれる「生鮮食品を除く総合」は前年同月比で0.4%の下落となった。6カ月連続の下落だが、マイナス幅は3月から縮小した。今後を予測すると、6月分で小幅プラスに浮上し、その状態がしばらく続く可能性が高い。

物価の基調は長期下落傾向が続いている

 しかし、筆者が重視している“欧米型コア”である「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」は前年同月比でマイナス0.6%と、52カ月連続の下落となった。これは、エネルギー関連(ガソリン・灯油・電気代など)と食料関連という、原油や穀物の国際商品市況に左右されてイレギュラーな動きをしやすい2つの分野を除外したカテゴリーである。そのため、物価の基調をより把握しやすいのだ。

注:コアは「生鮮食品を除く総合」、欧米型コアは「食料(酒類を除く)及びエネルギーを除く総合」
出所:総務省

 販売価格を引き下げた大手牛丼チェーンで、その月の来客数と売上高が急増したという。筆者も先日、近所にある店舗に週末のお昼どきに行ってみたところ、ほぼ満席だった。

 デフレが日本で慢性化していることについて、何人かの「リフレ派」は“マインド主犯説”を唱えている。「デフレマインド」(いずれ値下がりするだろうという物価観)が定着していて、消費者が支出を常に手控えようとするから実際に物価が下がる、というのである。

 その延長線上で彼らは、「インフレマインド」への転換による消費や投資の前倒し促進を主張し、日銀によるマネタリーベースの上積みこそが、それにつながる政策行動だとしている。

 だが、筆者の見るところ、そうした見方は妥当ではないし、生活実感ともかみ合わない。

コメント6件コメント/レビュー

おっしゃるとおり。年金や医療など痛みを伴う本丸には一切手をつけず、選挙前の得点稼ぎに勤しむアベノミクスとやらは夢幻に過ぎません。持ち株は速攻売り抜けました。全部貯めときます。消費なんか、する気にもなれません(アホらし…)。(2013/06/03)

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「「低価格選好」は終わるのか?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

おっしゃるとおり。年金や医療など痛みを伴う本丸には一切手をつけず、選挙前の得点稼ぎに勤しむアベノミクスとやらは夢幻に過ぎません。持ち株は速攻売り抜けました。全部貯めときます。消費なんか、する気にもなれません(アホらし…)。(2013/06/03)

この記事が、「イレギュラーな動きをしやすい2つの分野」としてを除外したカテゴリーでも国際価格以上に値上がりしているのも事実だし、生活に影響も少なくない。また、「高額品にあてはまる「ハンドバック(輸入品)は2007年から昨年まで長く続いた円高・ユーロ安局面でもほとんど値下がりしなかった。」と評価しているが、販売量は激減している筈であり、それ故に日本から撤退している直営店も少なくない。自分の論に都合の良い数字だけをかき集めて不特定多数の人間を納得させる事は出来ないのではないか?私は収入に変化の無い年金生活者の立場から言わせてもらえれば、「イレギュラー」と除外されてしまった項目で円安による値上がりの影響を間違いなく感じ始めている。既に動き始めた輸入小麦を主原料とするパンも近々の値上げが計画されている。円安になった比率で輸入減材料に頼る製品が値上がりする訳ではないが、間違いなく影響は受け始めている。食品も自給率が40%で、残りの60%は輸入品なのだから円安で値上げしない筈が無い。私自身は年金生活者の生活が多少苦しくなるのは、年金受給額の世代間格差を縮める事にもなるので不平を言わずに我慢しようと思っているが、事実として物価は「上がっている」。生活に関わりの少なくない品物は「イレギュラーな動き」として除外するよりも、為替変動による分だけでも物価として読み込むべきだと考える。そうでないと生活者の実感と全く合わない「統計数字」がもっともらしい嘘を付く事になってしまう。統計というのは「事実に基づく」と言い乍ら、信用出来ない数字が多いのだ。「事実に基づく」という嘘が一番質が悪い。(2013/06/03)

なかなか良記事でした。必要のない批判、感情的な言葉もなく滔々と述べられています。安倍政権に関しては、消費税への取り組み方で見えてくるでしょう。財務省の意向もね。個人的にはアベノミクスは成功してほしいですよ。だって日本人ですもの。(2013/06/03)

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