• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

第5回 「99%の確率で別条なし」と「1%の確率で死亡」は同じ?

数字のマジック、伝え方のマジック

2013年6月10日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今回は少し趣向を変えて、統計デーや確率の数字の「伝え方」を取りあげます。

あなたが患者さんで、医師から手術の成功率を伝えられるときに、次のどちらが安心するでしょうか?

A:この手術は99%の確率で命に別条はありません。

B:この手術では1%の確率で死亡します。

 確率はどちらも同じなのに、Bのように「1%で死亡する」と言われると恐怖を感じます。逆にAのように「99%命に別条ない」と言われると、たぶん大丈夫と思ってしまうもの。人間には、同じ確率でも違った受け止め方をする傾向があるのです。

プロスペクト曲線の崖

 心理学や経済学では、こうした傾向を説明するプロスペクト理論が使われます。一般的になってきた概念なので、すでに知っている読者の方も多いでしょう。

 人は、自分が得をすることより、自分が損をすることに過剰反応する。100円もらうのと、1000円失うのでは、1000円失う方が心が受けるインパクトは大きいのです。同じ金額であっても、こうした傾向が出ます。

 損失に対して無意識に過剰反応する傾向は、原始的な人類が身につけた生きる知恵とも言えます。命に関わる危険は深く記憶に刻み込んでおく必要があったのでしょう。生存するための反射です。

 プロスペクト理論をグラフに表すと図表5-1のようになります。グラフをよく見ると、「プロスペクト曲線の崖」とも呼べるエリアがあることに気がつきます。損失側に入ってすぐの領域で、ネガティブな反応が大きくなっています。どんなに小さなマイナスでも心に与える影響は甚大、ということです。

●図表5-1 プロスペクト曲線

 手術の事例では、自分の命がかかっているので、余計に強いインパクトがあります。「1%の確率で死亡する手術」と言われて、心が波立たない人はいません。

コメント0

「「ビジネスの結果は99%統計的に決まる」」のバックナンバー

一覧

「第5回 「99%の確率で別条なし」と「1%の確率で死亡」は同じ?」の著者

斎藤 広達

斎藤 広達(さいとう・こうたつ)

事業再生コンサルタント/理論社社長

1968年生まれ。シカゴ大学経営大学院修士(MBA)取得後、ボストン・コンサルティング・グループ、シティバンク、ローランドベルガーなどを経て独立。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック