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古くて新しい「署名の力」

マイノリティの声に企業はどう対応するか

2013年6月4日(火)

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 2011年3月、ある署名活動が政府を動かした。場所は南アフリカ。一人のレズビアンの女性がインターネット上に書き込んだ叫びがきっかけだった。当時、南アフリカではレズビアンの女性を矯正する名目でレイプ被害が多発していた。政府に行動を求めたこの訴えに対し、2週間で170カ国から17万人の賛同が集まり、署名は政府に手渡された。結果、政府は同様の被害を防ぐべく、撲滅チームの発足を約束した。

 この女性が訴えを書き込んだサイトは「Change.org」。ベン・ラトレイという一人の男性が2007年に立ち上げた署名活動プラットフォームだ。1998年にスタンフォード大学に進学したラトレイ氏だが、当時の彼はほかの同級生と同様、極めて野心的な学生だった。彼の夢はウォール街で働き、大金を稼ぐこと。裕福な生活を夢見る18歳だった。そんな彼に転機が訪れたのは卒業を控える4年生のときだ。5歳下の弟の態度が荒れ、その理由を知った彼は深刻なショックを受ける。弟は兄のラトレイ氏に同性愛者であることを告白した。

 ラトレイ氏はショックを受けた。弟が同性愛者だったということではない。兄弟という最も近しい間柄にいながら彼が悩んでいたことに気づかず、無関心で何ら行動に移さなかったことに心を痛めた。マイノリティの声に対して無関心である世の中を変えなければならない。そう心に決めた彼は、スタンフォード大学を卒業後、NGOの運営に関する研究で定評のある英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスに進学。その後、試行錯誤を重ねChange.orgの開設に至った。

 Change.orgが開設された2007年は、米国ではマーク・ザッカーバーグ氏が立ち上げたフェイスブックが流行の兆しを見せていた。2006年までは大学生の利用に限定していたフェイスブックだが、その後、高校生にも対象を広げ、一般の利用者にも開放。ラトレイ氏はこの勃興するSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の力を使って、マイノリティの声を広げようと考えていた。

 この狙いは的中し、6年が経過した今、Change.orgは巨大プラットフォームに成長している。2013年4月時点で世界196カ国で3000万人以上のユーザーが利用し、日々、500以上の署名キャンペーンが投稿されるまでに至っている。支部は世界18カ国に広がり、世界には190人のスタッフがChange.orgの運営に関わっている。5月23日には米イーベイの創設者、ピエール・オミディア氏が運営する慈善投資団体「オミディア・ネットワーク」から1500万ドル(約15億円)の出資を取り付けた。また、米タイム誌は2012年、「世界で最も影響力のある100人」にラトレイ氏を選出した。

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「古くて新しい「署名の力」」の著者

原 隆

原 隆(はら・たかし)

日経コンピュータ記者

宮崎県出身。お酒が好きです。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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