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形だけの株主総会はもうやめよう

株主の「そこが知りたい」に向き合うイオン

2013年6月7日(金)

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 今年も株主総会シーズンが近づいてきた。3月期決算の企業は6月中~下旬にかけて一斉に株主総会を開く。株主と対話し、企業の経営方針や戦略を伝えるせっかくの機会を、残念ながら多くの企業は生かしきれていないような気がする。

 私は記者として自動車、電機、小売りなど様々な企業の株主総会を取材してきたが、正直言って「中身が濃い」と思える総会は少ない。資料を見れば一目瞭然の業績や戦略をスライドやビデオで流して、説明は短時間で終わらせる。株主からの質問はあまり出ず、あったとしても経営陣が短い回答で済ませる形式的なものも珍しくない。「わざわざ参加する意味がどれほどあるのか」と思うような総会さえある。

 そんな中で、株主と対話しようとする姿勢が際立つのはイオンだ。2月期決算のため、株主総会を開くのは5月中旬と早い。イオンの株主総会を取材するのは3年連続だが、今年はひときわ印象的だった。

 「そこが知りたい」と株主が感じている数々の疑問に、経営陣が熱心に答えていた。総会では業績概要や今後の取り組みを説明するビデオを放映した後に、イオンの岡田元也社長が登壇。「(資料では分からないようなポイントを)追加して説明したい」と切り出した。

 「(2013年2月期の連結業績は)2期連続の最高益となり、マスコミでは好調と報道されているが、実態はそれほどよくはない。連結営業利益は1900億円で、公表していた会社予想から200億円ほど不足した。もっと問題なのは、社内予算は2500億円くらいとさらに大きかったことだ。深く恥じ入り反省しなければならないとグループ内では話している」

 一般的には、株主総会を円滑に進めるためか、都合のいい数字を並べて説明する企業が多い。だが岡田社長は、いきなり本質的な問題に切り込んだ。

「総合店の時代は終わりつつある」との批判を甘受

 「(総合スーパーの)イオンリテール、(コンビニエンスストアの)ミニストップなどの社内予算の達成率は非常に残念で、半分ほどだった」

 「総合スーパー衰退の原因は、お客様ニーズとずれていたことにある。専門店が力をつけてくる中で、成長分野への取り組みが遅れた。『総合店の時代は終わりつつある』という批判的な声もあるが、そういった批判は甘んじて受けなければならない」

 驚くほど素直に反省の言葉を述べた。もちろんそれだけでは株主が不安になるので、どう立て直すのかという戦略の説明も欠かさない。

 「総合スーパー改革の推進体制を一新した。イオンリテールのトップには新しい社長が就任し、役員も変えた。持ち株会社のイオンとしても、時間の半分を総合スーパー改革のサポートに費やす」

 株主にこう宣言したうえで、足元の業績を改善する取り組み、部門再編などの組織改革、顧客ニーズに適応した売り場作りなどの方針を説明した。

 多くの株主が気にしていたはずのダイエーをTOB(株式公開買い付け)で子会社化する方針についても、先手を打って話した。

 「2004年に産業再生機構入りしたダイエーの改革は、短期利益志向だった。外部から来た人の個人の功績が第一で、見かけ倒しの再建に終始した。(その後、丸紅が経営を引き継ぎ、イオンも資本参加したが、立て直せず)さらなるリストラに追い込まれそうになったが、組合はノーと言い、イオンがすべてを引き受けることになった」

 こう経緯を説明したうえで、ダイエーの連結化でグループの売上高が8000億円増えて店舗網も拡大することで、利益率が高いPB(プライベートブランド)の販売を伸ばせるなどのメリットを強調した。

コメント1件コメント/レビュー

記事中に「PBが増えて買い物する楽しみがなくなっている」とある部分に完全同意。あと製造場所・製造国の記載が無いような商品には手がでませんね。お客様のほうを向いているとはとても思えない企業です。(2013/06/07)

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「形だけの株主総会はもうやめよう」の著者

山崎 良兵

山崎 良兵(やまざき・りょうへい)

日経ビジネス副編集長

日経ビジネス編集部、ニューヨーク支局、日本経済新聞証券部などを経て、2017年1月から日経ビジネス副編集長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

記事中に「PBが増えて買い物する楽しみがなくなっている」とある部分に完全同意。あと製造場所・製造国の記載が無いような商品には手がでませんね。お客様のほうを向いているとはとても思えない企業です。(2013/06/07)

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