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アフリカは日本の教訓を生かせ

製造業の成長には産業政策が不可欠

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2013年6月10日(月)

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 日本が主催する第5回アフリカ開発会議(TICAD)が、6月1~3日に横浜で開催された。世界は、欧州経済の苦悩や、米国政治の行き詰まり、中国など新興市場における成長の減速にばかり目を向けている。しかし世界には、ごく一部の人ではなく、大多数の人が貧困に苦しむ地域が残っている――サブサハラ(サハラ砂漠以南のアフリカ)だ。TICADの開催は、そのことをあらためて思い出させてくれた。

成長の陰で拡大する貧困層

 貧困生活(1日1.25ドル=約127円未満)を送る人の数が、サブサハラ全体で増えている。1990年には3億人に満たなかったが、2010年には4億2500万人近くにまで増えた。1日2ドル(約192円)未満で暮らす人は、約3億9000万人から約6億人へと増加した。ただし、全人口に対する貧困層の比率は、同じ期間に57%から49%に低下している。

 先進国はアフリカ諸国に対して援助や貿易を提供すると何度も約束してきたが、繰り返し破ってきた。しかし日本は、20年来のデフレに苦しんでいるにもかかわらず、なんとか積極的な関与を続けている。戦略的に利益を得るためではない。「裕福な者は困窮している者を助けなければならない」という純粋に道徳的な義務に従うためである。

 今日のアフリカは、2つの顔を持つ。一方では注目すべき成功を収めている。1000万人以上の人口を抱える国の中で、2007~11年に最も急速に成長した国の上位10カ国のうち5カ国をアフリカの国が占める。その成功は天然資源だけに頼ったものではない。

 特に良い数字を残しているのはエチオピアだ。国内総生産(GDP)は2011年までの5年間で年平均約10%成長した。そのほか、ルワンダ、タンザニア、ウガンダも好調だ。これらの国のGDP成長率は過去十数年の間、ほとんどの年で6%を上回っている。

 アフリカの中間層(年収2万ドル=約192万円以上と定義される)の世帯数は、今ではインドより多いとする資料もある。しかし、アフリカには、世界でも指折りの大きな格差を抱える国がある。

 貧困層の多くが生活の支えとするのは農業だ。しかしアフリカの農業は決して順調ではない。単位面積当たりの収穫量は伸び悩んでいる。恒久的な耕作可能地のうち、灌漑されているのは4%にすぎない。南アジアでは39%、東アジアでは29%が灌漑されている。1ヘクタールに使われる肥料の量で比べると、アフリカがわずか13キロであるのに対して、南アジアは90キロ、東アジアでは190キロに上る。

 何より残念なのは、マクロ経済的には正常化していて、統治能力が向上している国でさえ、天然資源分野以外では海外からの投資がなかなか集まらないことだ。

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