• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

中国経済は悪い。が、崩壊するほどでもない

企業業績から読み解く景気の実像

2013年6月10日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 中国企業といえども、香港での決算発表にはCEO(最高経営責任者)が出席する。少なくともCFO(最高財務責任者)かCOO(最高執行責任者)あたりは出てくる。

 メディアにとって、これは貴重な機会だ。中国政府が直轄する「中央企業」と呼ばれる百十社あまりの企業ともなると、トップの肉声を聞けるのは全人代(全国人民代表大会、国会に相当)か、5年に1度の党大会、そして決算発表ぐらいだからだ。

 何十社かの決算発表に居合わせただけの感想に過ぎないが、やはり人は人で、会見であからさまな嘘を吐くケースは少ない。鷹揚に構えたいとの心理が働く人物もいて、「ぶら下がり」取材に応じたりもする。粉飾は相変わらず多いけれど、外国人持ち株比率の高い大企業は随分とマシになった。

 と、ここまでが前振りである。

 中国の統計は、とかく信頼性が低い。あれだけ広い国土で正確な数字を掴むのは至難の業だし、地方政府の水増しが横行している。各省が公表しているGDP(国内総生産)を足し合わせると、国家統計局が発表する国全体の数字を1~2割くらい上回る。中国本土と香港の間をぐるぐると在庫が行き来し、税の還付を受けようとする動きもあるとされる。

 では、何を信じたら良いのか。「何もない」が恐らく最も正解に近い。それでも手がかりを探すとすれば、最初に述べたような理由で、企業の業績か開示情報を拾っていくことになる。かつてより企業数は増え、まがりなりにも会計基準の整備も進んだ。中国経済のアキレス腱は地方政府の債務であることを差し引いても、ある程度は景気を読む指標として役立つようになってきたはずだ。

李克強が重視する電力・荷動き・融資ははっきり減速

 企業業績から景気の現状を読み取ることを最大の目的に、いくつかの企業の決算を拾ってみる。まずは電力会社と、高速道路の運営会社、そして銀行だ。

 李克強首相はかつて、中国経済を掴むために発電量と鉄道貨物、そして銀行融資を重視していると語ったとされる。鉄道は、鉄道省という利権の塊のような省庁が解体されたばかりで、現時点で有力な上場企業はない。そこで、高速道路の交通量で代用する。

 電力大手の華能国際電力。1~3月期の発電量は前年同期比で2.4%減少した。「全国ベースの発電量は0.87%の伸びにとどまり、とくに沿岸部はマイナスだった」という。同社は首都・北京周辺や上海のある華東、広州のある華南地域に多くの発電設備を構える。やはり数字は良くない。

 続いては「江蘇寧滬高速公路」という高速道路を保有、運営する企業だ。その名の通り、江蘇省・南京と上海を結ぶ路線など中国経済の大動脈をいくつか抱える。この1~3月期の通行料収入は1.6%減り、営業利益と純利益はともに横ばい圏だった。会社側は「春節(旧正月)中、小型車の運賃を無料にしたため」と説明するが、2ケタ増が当たり前だった時期は過ぎた、という印象だ。

コメント6

「記者の眼」のバックナンバー

一覧

「中国経済は悪い。が、崩壊するほどでもない」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト