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「設備投資減税」で本当に景気が良くなるか?

「1粒で2度おいしい」のむなしい皮算用

2013年6月13日(木)

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 政府は6月8日、追加で「成長戦略」の方針を打ち出しました。今回打ち出されたのは、民間企業の設備投資を後押しするための減税です。

 先日発表された成長戦略方針では、法人税の引き下げが見送られています。そのため、経済界からは落胆の声が聞こえていました。今回の減税打ち出しには、その「ガッカリ感」を和らげる意図もあると思います。

 ただ、政府の意図がどうであれ、それが「成長」に結び付けばいいだけのことです。

 安倍晋三総理は、「企業の設備投資を3年間で1割増の70兆円」とする目標を掲げています。この減税で、「設備投資1割増」を狙っているわけです。菅義偉(よしひで)官房長官も、テレビ番組で「(日本企業が)世界で戦うことのできる環境を整備したい」と語っています。

 同時に、こうした税制措置について政府は、年末に本格化する税制改正作業を、今秋に前倒しで始める方針です。菅長官は「税制改正はいつも12月だが、今までの形にこだわらない」とも述べ、早期に具体的に決めていく姿勢を見せています。

設備投資で「消費」と「成長力」の2兎を追う

 でも、なぜ設備投資の減税なのでしょうか?それは企業の設備投資が増えれば「1粒で2度おいしい」からです。

 設備投資とは、文字通り「投資」です。将来のために実力を高める、生産効率を上げるためにお金を使うのが、この設備投資です。

 設備投資とは、企業が生産活動に必要な設備や技術を「買う」ということです。「投資」という文字が入っていますが、株や外国為替証拠金取引(FX)などのいわゆる金融投資ではありません。そうではなく、工場を建てたり、生産ラインの設備を導入することです。

 「投資」と言っても、これも大雑把にみると「買い物」です。つまり、消費者が衣食住のために商品を買うのと同じように、設備投資は「消費」でもあるわけです。

 消費が増えれば、その分日本経済が活性化されます。それと同じように、企業が設備投資を増やせば、日本経済が活性化されるのです。だから景気を良くするために、政府は企業の設備投資を増やしたいと思っています。

 ただ、設備投資にはもう1つ意味合いがあります。設備に投資をすれば、それだけ生産効率や生産能力が上がります。実際にどれくらい生産効率が上がるかは個別のケースによりますが、少なくとも理論上はそれらを上げるために設備に投資をします。

 ということは、設備投資が増えることで、企業の成長力が高まるのです。

 設備投資が増えるということは、それらを“商品”として売っている企業の売り上げが増え、景気が上向くということ。そして同時に、企業の成長力が上がり、今後の経済発展に寄与するとういうことです。

 設備投資には、2つの側面がある。マクロ経済学では、これを「投資の二重性」といいます。すなわち、「1粒で2度おいしい」。その状態を目指して、政府は設備投資にかかる減税を打ち出したわけです。

 「そんな政策だったらすぐにやってほしい!」と感じることでしょう。ただし問題は、「設備投資減税」で本当に設備投資が増え、“1粒で2度おいしい状態”が生まれるかどうかです。

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「「設備投資減税」で本当に景気が良くなるか?」の著者

木暮 太一

木暮 太一(こぐれ・たいち)

経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト、社団法人教育コミュニケーション協会の代表理事として、相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、企業・大学向けに多くの講演活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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