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秀吉も家康もシーパワーを確立できなかった

天下統一から鎖国へ

2013年6月14日(金)

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 およそ1世紀に及ぶ応仁の乱によって京都は荒廃し、有力守護が地方から上京して幕政に参加する室町幕府の体制は崩壊した。下克上を常とする戦国時代の幕開けである。各地方では混乱の中で国人一揆が頻発するようになる一方、地域に根を下ろした戦国大名が台頭するようになった。

 戦国大名は絶え間ない戦に勝ち残り、領国を安定させる必要があった。このため、武器などの大量の物資の生産と調達のために御用職人と御用商人を召し抱え、城下町を中心に商工業者の力を結集した経済圏を作り上げた。北条氏の小田原や、今川氏の府中(静岡市)、上杉氏の春日山(上越市)、大内氏の山口、大友氏の府内(大分市)、島津氏の鹿児島などが代表的な城下町であった。

 また、海、川、陸の国内交通路が発達し、遠隔地間の取引も活発となった。廻船と呼ばれる輸送船の往来も頻繁になり、堺や博多だけでなく、薩摩の坊津、瀬戸内の尾道や兵庫、日本海の小浜や敦賀、津軽の十三湊、太平洋側の大湊や神奈河(川)、品河(川)など主要な港町を結ぶ海上交易路が発達した。これらのうち、堺や博多、大湊などは裕福な商工業者による自治都市であった。

欧州で大航海時代が始まる

 日本が戦国時代を迎えた頃、ヨーロッパは大航海時代に入った。スペインとポルトガルが、先陣を切ってアジアに進出した。イスラム勢力をイベリア半島から駆逐する中でいち早く絶対王政の基盤を確立できたことが大きい。倭寇の活動などによって生まれていた東アジアの広い交易圏にヨーロッパ人が参入することになったのである。

 南蛮貿易は鉄砲の伝来とともに始まった。明人である王直の持ち船が種子島に漂着し、乗っていたポルトガル人が所持していた火縄銃が日本に伝わった。以後、南蛮船は九州の港に頻繁に寄港するようになった。特に、ポルトガルは中国の生糸を日本に輸送して日本産の銀と交換する中継貿易に莫大な利益を見いだした。

 鉄砲は戦国大名の間に新鋭の武器として急速に普及した。これに伴って戦法も変化した。それまでの騎馬戦を中心とするものから、足軽鉄砲隊を多用するものへと変わった。なお、種子島への鉄砲の伝来は従来1543年とされてきたが、最近は新しい史料に基づき1542年とする説が有力となりつつある。

 南蛮貿易は、キリスト教の布教活動と一体化して行われた。宗教改革によってヨーロッパでプロテスタントが広がると、カトリックはアジアでの布教に力を入れるようになった。日本では、1549年に鹿児島に到着したイエズス会のフランシスコ・ザビエルが、諸大名の保護を受けながら布教を行ったのが始まりである。

 ポルトガル船は布教を認める大名領にのみ入港した。このため、豊後の大友義鎮や肥前の有馬晴信のように、貿易を求めて進んで布教を認め、自ら洗礼を受けるキリシタン大名が出てきた。

信長は甲鉄船で村上水軍を撃破

 こうした中、織田信長は南蛮貿易がもたらした鉄砲と利潤を背景に、天下統一への道を歩み出した。信長は近江の鉄砲鍛冶をその勢力下に置き、いち早く鉄砲隊を組織した。鉄砲を用いた革新的な戦法が彼の快進撃を支えた。信長は1575年の長篠合戦で大量の鉄砲と馬防柵を用いて宿敵武田軍の騎馬部隊を打ち破った。

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「秀吉も家康もシーパワーを確立できなかった」の著者

小谷 哲男

小谷 哲男(こたに・てつお)

日本国際問題研究所研究員

同志社大学法学研究科博士課程単位取得退学、岡崎研究所等を経て、2012年4月から日本国際問題研究所研究員。日米関係と海洋安全保障問題を専門とする。「海の国政政治学」の確立に向けて奮闘中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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