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稲盛和夫はなぜこれほど世の関心を集めるのか

そのカリスマ性の謎を解く鍵は「クソ真面目な姿勢」

2013年6月24日(月)

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 強いリーダーシップはどのようにして生まれるのか。その源泉を訪ねるシリーズを稲盛和夫のケースから始める。

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 「カリスマ経営者」「経営の神様」「平成の松下幸之助」など、稲盛については様々な異名が付いている。日本能率協会グループが2012年に実施した「新任役員の素顔に関する調査」では、「理想の経営者」のトップに稲盛が選ばれた。3年連続1位だった松下幸之助を抑えて前年の3位からの躍進である。

 雑誌、新聞などのメディアによく取り上げられ、自著もたくさんある。今さらと思われるかもしれないが、なぜ、これほど世の関心を集め、企業人の人気も高いのか。改めて考えてみると不思議である。

異業種の経営を可能にした不思議な感化力

 メーカーの京セラと通信会社の第二電電(現KDDI)という異質な2つの事業の創業に成功し、さらに異業種である日本航空(JAL)の経営再建を主導した。1つの事業で大をなすことでさえ容易ではないのに、なぜ稲盛は3つもできたのか。

 この2013年1月30日に満81歳の誕生日を迎えた。京セラではとうに名誉会長である。JALでも名誉会長になっていたが、3月末まで取締役として経営に当たっていた。80歳を超えて、つい最近まで現役の経営者だったわけである。

 こうしたことがどうして可能なのか。天才だからだと言ってしまえばそれまでだが、生身の稲盛には近寄りがたい鬼才という印象はない。特異な資質があるにしても、手が届きそうな努力の天才なのである。

 神がかり的だと違和感を覚える人もいるが、自著のタイトルにもしている「生き方」を若いころから懸命に模索してきた。品のない表現で恐縮だが、そのクソ真面目な姿勢が普通の人たちを引き付ける人間臭い魅力になっている。独特のカリスマ性の謎を解く鍵はそこにあるのではないか。

 異業種の経営を可能にしたのは、不思議な感化力を持っているからだろう。JALの植木義晴社長は、12年2月に専務執行役員から昇格した。1月に当時会長だった稲盛から次期社長の指名を受けた時、「おのれを捨てて社長業にまい進できるか。社員の喜び、笑顔を我が喜びにする決意があるか」と自問したという。

 これは実は稲盛が京セラを創業して経営者の道に入ったころから自問してきたことなのである。「無私でなければならないというのは稲盛さんから学んだことです」と植木は認めている。

コメント7件コメント/レビュー

稲盛経営哲学の真髄は正しい事を利他の心で全社員が行うように努力する事だと感じます。その心で全社員が一つの同じ方向を目指す中から素晴らしい成果が上がっているようです。一見利益を追求する組織である企業にはなじみのない努力のようですが、この事こそが全社員のやる気を出させ、創意工夫を生み、一丸となって会社の目的実現に邁進させるのではないかと思います。その実例が奇跡的な短期間でのJALの復活なのではないでしょうか。(2013/06/26)

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「稲盛和夫はなぜこれほど世の関心を集めるのか」の著者

森 一夫

森 一夫(もり・かずお)

ジャーナリスト

1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、特別編集委員兼論説委員を歴任。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

稲盛経営哲学の真髄は正しい事を利他の心で全社員が行うように努力する事だと感じます。その心で全社員が一つの同じ方向を目指す中から素晴らしい成果が上がっているようです。一見利益を追求する組織である企業にはなじみのない努力のようですが、この事こそが全社員のやる気を出させ、創意工夫を生み、一丸となって会社の目的実現に邁進させるのではないかと思います。その実例が奇跡的な短期間でのJALの復活なのではないでしょうか。(2013/06/26)

京セラの名誉会長稲盛和夫氏の経営再建によりJALは2012年9月に再上場しました。日本経済にとってはいいことだったと思っていますが、私は2011年3月15日にJALが行った第三者割当増資に「関心」があります。1株2,000円で127億円分が8社に割り当てられました。JALが会社更生手続きを終了して一般事業会社になったのはその直後の3月28日です。ここで一般事業会社として、再上場を視野に入れることができるようになったのです。127億円分の引受先は、京セラが50億円、大和証券グループ本社が50億円、ほかにJTB、阪急交通社、損害保険ジャパンなど6社と言われています。何とも釈然としない話だと思いませんか。(2013/06/24)

顔を合わせ原理原則で説き人間を変えるというのが稲盛氏の経営という事のように解しました。ビジネスが実行出来る本当の人材を作っていくと言うか。国内の女子マラソンで京セラ陸上部の選手が入賞インタビューで「名誉会長からも激励されたので、悔いの残らないよう最後まで全力で走りました。」と言う主旨の回答をしていたことが印象的で、ここまで稲盛さんが影響を与えているんだと驚きました。稲盛さんの仕事の結果を見るとやはりすごい人だなと思います。しかし、稲盛さんの抽象的説法を解釈しビジネスの展開や再生を果たした社員は同等に凄いと思います。皆に潜在能力があったということなのでしょうね。一方、私の現役時代には、京セラの技術者は疲れ果てて居り少し休ませてあげればもっと成果が出せるのにという意見をよく耳にしました。これは20年近く前の事なので、今は変わっているのかも知れません。何れにしろ、稲盛さんは潜在能力を発揮させる力を持っている事と潜在能力を持ち合わせた社員に恵まれたと言えると思います。次の記事も楽しみにしています。(元通信システム技術者62歳)(2013/06/24)

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三品 和広 神戸大学教授