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日本の最大の貿易相手は中国ではない!

「付加価値貿易統計」で日本の実力を再評価

2013年6月20日(木)

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 かつて、日本の貿易相手国はアメリカ合衆国でした。そして近年、それが中国になりました。それもあって「中国は日本にとって欠かせない経済大国だ」といわれています。しかし、「実はそうでもない」ということも明らかになったのです。

 今年1月、経済協力開発機構(OECD)と世界貿易機関(WTO)が「付加価値貿易統計」という“付加価値”で考える新しい貿易統計を公表しました。これによると、日本の輸出先はアメリカが最大で、従来の統計で最大だった中国を上回ることが分かったのです。対米の貿易黒字は従来の統計と比べて「6割増」となり、日本経済は「やはりアメリカとの結び付きが強い」ということを改めて認識させられました。

“付加価値”で考える貿易統計とは?

 これはどういうことなのでしょうか?「付加価値で考える新しい貿易統計」とは、一体何なのでしょうか?

 これまでの貿易統計は、「金額」で表していました。例えばこういうことです。

  1. 日本が100ドルの商品(日本で1から作ったとします)を中国に輸出し、
  2. 中国で加工されて150ドルの商品にします。それを中国がアメリカに輸出したら、

 → 日本:中国向け輸出が100ドル
 → 中国:アメリカ向け輸出が150ドル

となりました。しかし、この新しい貿易統計では付加価値で考えます。そうなると、「輸出額」が変わるのです。中国からアメリカに輸出された150ドルの商品のうち、100ドル分は、日本で作りました。ですから、付加価値で考えるとこの商品は、

  • 100ドル分は日本で生産されて、アメリカに渡った
  • 50ドル分は中国で生産されて、アメリカに渡った

ということになるのです。これを反映させたのが、新しく発表された貿易統計です。

 そして冒頭の話の通り、この貿易統計で考えると、日本の輸出先のトップは、実はアメリカだったのです。

 こちらの付加価値をベースにした統計の方が、経済の実態を正しく表しています。これまでの統計だと、たとえその国の貢献度が1%程度でも、その商品の金額がまるまる輸出として反映されています。「右から左へ」の状態でも“輸出”とみなされるわけです。しかし、それがその国の経済パワーを表していないことは明らかです。

コメント4件コメント/レビュー

 世界貿易の分析の高度化という点で評価できる。結果、貿易国の位置づけも何を基準に見るかで変わる実態(従来の輸出額と付加価値額の視点で見る貿易分析)をどう戦略的に活用できるかが問われることとなる。一義的には、従来の貿易数字が評価となる。貿易の妥当性(ダンピング等)の対象も今までどおりの貿易数字が議論されることとなる。(2013/06/20)

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「日本の最大の貿易相手は中国ではない!」の著者

木暮 太一

木暮 太一(こぐれ・たいち)

経済ジャーナリスト

経済ジャーナリスト、社団法人教育コミュニケーション協会の代表理事として、相手の目線に立った話し方・伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、企業・大学向けに多くの講演活動を行っている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

 世界貿易の分析の高度化という点で評価できる。結果、貿易国の位置づけも何を基準に見るかで変わる実態(従来の輸出額と付加価値額の視点で見る貿易分析)をどう戦略的に活用できるかが問われることとなる。一義的には、従来の貿易数字が評価となる。貿易の妥当性(ダンピング等)の対象も今までどおりの貿易数字が議論されることとなる。(2013/06/20)

中国が最終消費地ではないのですから当たり前なのですが、何故かこういう事は語られず、中国は最大の貿易相手国なのに、外交荒立てるな。という話をするおかしな人が多いですね。(2013/06/20)

>。中国からアメリカに輸出された150ドルの商品のうち、100ドル分は、日本で作りました。■1日本は100ドルから儲けますが、中国は50ドルからでしょうか100ドルからでしょうか。150ドル全部日本で作りましょう、ということは言われませんか。>付加価値で考えたときに、二国間の貿易赤字・黒字を取り上げてもあまり意味がないことが分かります。■質が違うものなので、「あまり意味がない」のは当たり前で、この文章こそ、「あまり意味がない」。>日本やアメリカなど、先進国の価値創造力が依然高いことが明らかになりました。■でも日本の経済力はさがっています。日本を立て直すのには価値創造力をどう生かすのかを述べていただきたい。(2013/06/20)

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