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日本が目指すべきは「知的遊牧民(ノマド)」型のモノ作りです!

円安が企業にもたらす真の影響(第6回)

2013年6月25日(火)

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 企業のビジネスを巡って日々流れるニュースの中には、今後の企業経営を一変させる大きな潮流が潜んでいる。その可能性を秘めた時事的な話題を毎月1つテーマとして取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちが読み解き、新たなビジネス潮流を導き出していく。

 今月のテーマは、安倍晋三政権が推進する経済政策「アベノミクス」によって急激に進んだ円安。企業の輸出が回復し、業績の回復や雇用の拡大につながるといった理由から、円安を歓迎する声も多いが、果たして本当にそうなのか。円安が国内企業にもたらす真の影響について、国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客たちに持論を披露してもらう。

 今回は前回に引き続いて一橋大学大学院国際企業戦略研究科の名和高司教授が、生産の海外シフトを進める際のモノ作りのあり方を解説する。

(構成は小林 佳代=ライター/エディター)

 前回に、円安になって一部の製造業は一息つくことができたけれども、基本的には地産地消を進めるべきで、海外シフトの手を緩めてはならないと指摘しました。では、その場合、国内のモノ作りはどのような姿になるべきでしょうか。

 日本は「クラフトマンシップ」で誰にもマネできないような高い技術のモノを作るのが得意です。ただ、その高い技術のモノを作る段階で止まってしまうと、単なる“民芸品”で終わってしまいます。民芸品をいくら日本の中で持ち続けても、大きなビジネスにはなりません。海外に持って行く前提で民芸品を“工業品”化することを常に考え続けていくことが必要です。

 私は、日本の製造業は「知的遊牧民(ノマド)」型のモノ作りを目指すべきだと考えています。日本では最先端の技術のモノを作り、それを民芸品から工業品のレベルに引き上げたうえで世界に広げ、コモディティー(汎用品)化していくというものです。日本では次の最先端の技術のモノを作ります。このサイクルを続けていくのです。

 これを既に実行しているのがダイキン工業です。同社のエアコンはインバーター技術で優位性がありますが、2008年に中国のエアコン最大手・格力電器と業務提携し、この技術を供与してインバーター技術の標準化を狙いました。

 当初、社内には「敵に塩を送るようなもの」と大反対が出ていたそうです。けれどダイキンの井上礼之会長は「インバーターは進化する。今の技術は出して新しい技術を開発すればいい」と一蹴しました。インバーター技術を民芸品として守るのではなく、工業品として規模拡大する道を選んだのです。

 格力電器がローエンドからミドルにかけてのエアコン市場を押さえたことで、インバーター搭載エアコンは世界のデファクトスタンダード(事実上の標準)となり、ダイキンのエアコンビジネスは世界中に拡大しました。

コメント3件コメント/レビュー

ダイキンの例は、核心技術と言えど、パクリコピー問題含めて時間の問題と考え、一時優位性を削り今売りに出て儲ける為に妥協した戦略。キモはパクリコピー問題の方だと思いますが、ノマド的というのが、次々住居を変える=売りの技術が美味しい時期が短いと考えて次々売りの場所を変えるということでしょうか?ノマド以前に焼畑モデルというのもありましたが、イメージ的にと、焼畑の収穫後の問題からの新語でしょうか。でも実質後には価格競争ばかりのコモディティ市場でフェードアウト的撤退戦略が必要になって同じように思える。あと、教育と人的コストの問題から日本がより知的財産で食べていく必要があるのは正しいですが、それに足る人材はどうあってもホンの一握り。それを担えない大多数の職の口も必要な訳で、今までは製造が吸収できていたが、この問題をどう対処する気でしょうか?それと、コメントであるように製造現場との連携・一体感・すり合わせも理学と工学の相互補完のように強みの一つだった訳だがこの辺りはどうか?植物工場は今の所、主に光で育つ野菜類には筋の悪い技術。高価で少量でも良いが均一性や従来栽培では不安定・生産が難しいものにはアリと思う。(2013/06/26)

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「日本が目指すべきは「知的遊牧民(ノマド)」型のモノ作りです!」の著者

名和 高司

名和 高司(なわ・たかし)

一橋大学大学院教授

1957年生まれ。東京大学法学部卒業後、三菱商事に入社。90年米ハーバードビジネススクールでMBA(経営学修士)を収得。91年マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2010年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ダイキンの例は、核心技術と言えど、パクリコピー問題含めて時間の問題と考え、一時優位性を削り今売りに出て儲ける為に妥協した戦略。キモはパクリコピー問題の方だと思いますが、ノマド的というのが、次々住居を変える=売りの技術が美味しい時期が短いと考えて次々売りの場所を変えるということでしょうか?ノマド以前に焼畑モデルというのもありましたが、イメージ的にと、焼畑の収穫後の問題からの新語でしょうか。でも実質後には価格競争ばかりのコモディティ市場でフェードアウト的撤退戦略が必要になって同じように思える。あと、教育と人的コストの問題から日本がより知的財産で食べていく必要があるのは正しいですが、それに足る人材はどうあってもホンの一握り。それを担えない大多数の職の口も必要な訳で、今までは製造が吸収できていたが、この問題をどう対処する気でしょうか?それと、コメントであるように製造現場との連携・一体感・すり合わせも理学と工学の相互補完のように強みの一つだった訳だがこの辺りはどうか?植物工場は今の所、主に光で育つ野菜類には筋の悪い技術。高価で少量でも良いが均一性や従来栽培では不安定・生産が難しいものにはアリと思う。(2013/06/26)

設計を製造を二項対立であるかのようにとらえている筆者には全く賛成しない。基本的に、製造を知っている方がいいものは設計できるし、設計へのフィードバックができる方が製造の質は上がるためだ。また、製造の地産地消も意味不明である。一個数円数十円といった素材・部品の工場、あるいは逆に一個数トンと言った大型機械の工場を世界各国にばらまいてコスト競争力が持てるなどと本気で考えているのだろうか?筆者は民生品の組立以外の工業を知らないのではないかという疑念が抜けない。しかし、日本の主力は資本財であって民生完成品などではない。これらは多くの場合、産業自体も資本集約的で分散には適さないし、こうした先端資本財では開発と製造を分けることなど絶対にできない。にも拘らず、筆者は先端品を作れと言いながら設計と製造を分けろと言う。どう見ても、日本の産業構造を知らない人間の弁である。そもそもで言うなら、ファブレス化には私は全く賛成しない。私の見るところ、北欧がファブレスでやっているのは、高い確度で、そうせざるを得ないくらい彼らの人口が少なく、同時に、対岸を中心に自国の10倍の低賃金労働者と1000倍の市場が確保できるためである。単純に比率で考えるなら、人口10億の国を日本のためだけの低賃金労働国にし、しかもそこで作った製品を売る1000億人の市場があれば、日本は北欧を真似られる、ということになるわけだ。ナンセンスだし、そうした行為自体、私は不信感を覚える。設計と営業だけが儲かる?製造を他国に出しておいて?国内でやったらブラック企業とか下請けいじめとかいろいろ言われる行為にしか見ないよ?(三諸)(2013/06/25)

知的遊牧民(ノマド)型のモノ作りってどういうことですか?「民芸品から工業品のレベルに引き上げたうえで世界に広げ、コモディティー(汎用品)化」と説明がありますが、それと遊牧民がどういう関係なのか分かりませんで。知的狩猟民や知的採集民や知的農耕民とどう違うのでしょうか?(2013/06/25)

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