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京都迷います

2013年6月20日(木)

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 よくよく考えてみれば、日経ビジネスオンラインというのは、日本も経済もビジネスもあまり自分には縁がないので、連載をするにあたっては最初からアウェイ感満々だ。

 なにしろ、いちばん最後まで読むと「このコラムは参考になりましたか?」などという設問がすぐに待ち構えていて、これは、ある意味少年週刊誌のアンケートハガキよりもシビアだ。なにも読み終えたそばから、いきなり尋ねなくてもいいではないか。まったくもってWEBにはゆとりというものがない。

 そもそもこちらはなんとかして参考にならないことや役に立たないことをこそ選んで書こうと思っているのに、そういう呪縛の言葉があちこちに仕掛けられているので、つい変なプレッシャーを無意識のうちに感じてしまい、日和ってマジメなことを書きそうになる。

 修行が足りない。

 そうだ、京都へ行こう。

 と、思ったのは、京都国際マンガミュージアムで「寺田克也ココ10年展」という捻転の秘儀が行われているとの案内が来ていたからだ。かくして私はすぐさま新幹線に飛び乗った。

 言っておくが、今回はマジメなことは何もありません。ただの馬鹿旅だ。

 「馬鹿旅」という言葉は、確か山下洋輔さんの発明だったと思う。
 80年代から90年代にかけては、今と比べて仕事も10倍くらい忙しかったが、どこにそんな時間があったのか、国内も海外もせっせとあちこちへ旅行した。

 複数人数で行くときは、たいがいビデオ撮影係を仰せつかるので、行った先々で、ずいぶんとくだらない行状を記録に残した。まさに馬鹿旅だった。それを編集して上映会を開き、動画をアテに酒を飲んだり、記憶を反芻したりするのも、またひとつの楽しみだったわけだ。

 動画は単独での取材旅行でもたくさん撮る。
 スチルよりも、場の雰囲気や位置関係が把握できる場合があるからだ。我が家には全国の有名無名神社仏閣、もはやインフレ気味の巨石遺構や日本のピラミッドなどの動画がそろっている。ただ神域では撮影NGの場所も多く、そういうところではマジメにお達しにしたがっている。

 京都では、まず東寺を訪ね、それから小学校を改造したマンガミュージアムに捻転を見るために足を運んだ。

 そこでは坊主が屏風に上手に絵を描いていた。

 屏風はまるで、何かの遺跡のように立ち並び、限られたスペースに無限の迷路を構成していた。まさに捻転だ。それぞれの屏風の裏表にはそれぞれの世界の登場人物が閉じ込められていて、将軍が中から追い出すのを待ち構えている。

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「京都迷います」の著者

とり・みき

とり・みき(とりみき)

マンガ家

熊本県出身。ギャグマンガをメインにしながら、エッセイコミックやストーリー物も手がける。94年『DAI-HONYA』98年『SF大将』で星雲賞、95年『遠くへいきたい』で文春漫画賞を受賞。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト