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不満爆発! そうだ「大統領」に立候補しよう

イラン大統領選と新大統領への期待

2013年6月20日(木)

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 みなさま、初めまして。私、イラン人のエッテハディー・サイードレザと申します。このたび、日経ビジネスオンラインでコラムを書くことになりました。題して「100%イラン視点」。ここでは、日本ではほとんど知られていない「イラン・イスラム共和国」で生きる人々の暮らしや、日本に住む多くのイラン人の視点で見た“日本”について、分かりやすく、楽しく紹介していきます。

 イランと聞いてまず頭に浮ぶのは、石油があふれている砂漠、そして、核問題をめぐって国際社会と摩擦を起こしているイメージでしょう。2500年前に世界初の帝国を建設したペルシャですが、どうして2002年にはアメリカのブッシュ元大統領によって「悪の枢軸」と呼ばれる国にまで“成り下がった”のでしょうか。さらに、過去10年にわたり、国連安全保障理事会によるイランに対する経済制裁が行われた理由はいったい何でしょうか。その経済制裁は、実際にイラン人の暮らしにどのような影響を与えたでしょうか。

 一方、世界のメディアは「イランの脅威」を報道するばかりで、イランのユニークな自然や世界に誇れる由緒ある文化や遺跡などを、残念ながらほとんど伝えようとはしません。たとえイランに興味があっても、「イランは危ない」という懸念がつきまとい、イランへの旅を断念する方も多いでしょう。

 イラン人として、現在母国で実際に起きていることについての理解を深めていただき、ビジネスやレジャーの対象国として再認識してもらえるよう、この「100%イラン視点」を書き進めたいと思います。

神権政治での大統領選

 さて、連載の第1回は、先週行われた「イラン大統領選」の実態について解説しましょう。この大統領選ですが、実は686人もの人が立候補を希望し、資格検査を受けるために内務省で登録したことを、みなさんはご存じでしたか。「私も大統領になる!」と、686人もの人間が手を挙げる国、それがイランなのです。こんな国は、世界でも希ではないでしょうか。

 大勢の立候補希望者ですが、実際に政治に関わる活動をしたことのある人は、わずか40人に過ぎませんでした。無学の人もいれば、少し変わった人もいました。大学卒の無職の若者もいれば、タクシーのドライバーもいます。日本人の目から見ると、イランの大統領選挙は自由で、誰でも立候補できると思うでしょう。なぜそんなことができるのか。その背景を理解するために、イランの歴史と現実を見ていきましょう。

「イラン・イスラム共和国」誕生の背景

 世界初の帝国・ペルシャは、現在イランという名前で知られています。これまでの歴史において、たび重なる外部からの侵入があったにもかかわらず、イラン人にとって国王は常に神様のような存在でした。「神様、国王、庶民」という階層は、イランの歴史に深く根を張っています。

 20世紀初頭、初めてその体制を覆そうという運動が始まりました。インテリ階級の努力の結果、1906年に「立憲君主制」が設立され、憲法や議会といった考え方がイランの政治でも使われるようになったのです。ところがイギリスやロシアの干渉もあり、一般庶民が完全に理解できないまま、この立憲君主制は15年で終わりを告げます。21年のクーデターによってパフラヴィー朝が設立され、民主主義の夢は遠ざかりました。

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「不満爆発! そうだ「大統領」に立候補しよう」の著者

サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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