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成長戦略は作文集。基本政策が見えない

島田晴雄・千葉商科大学学長に聞く

2013年6月24日(月)

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 金融緩和、財政政策に続くアベノミクスの「第3の矢」として成長戦略がまとまった。株式や債券市場が不安定になる中、成長に向けた進路は定まったのか。シリーズ第1回は元慶応義塾大学教授で、千葉商科大学学長の島田晴雄氏に、専門の労働経済学の視点から課題を聞いた。

安倍政権がまとめた成長戦略を100点満点で採点すると。

島田:大目につけて60点というところでしょうか。安倍晋三首相のリーダーシップは評価できますが、税制や規制改革などを見ると、経済産業省をはじめとする所管官庁の作文集。いわばホッチキス政策提言集といった印象です。企業の競争条件や国民の生活を抜本的に改善するための基本政策が見えてきません。政策の実現も医薬品のネット販売解禁や観光振興などを除けば、大半の目標期間が10年先というのでは遅すぎます。今後の具体的な政策実現性を明示して、40点相当の減点を補ってほしいと思います。

TPP(環太平洋経済連携協定)交渉に向け、農業の競争力や規制緩和も課題です。

島田:日本の食料自給率は40%と言われますが、これは農林水産省の欺瞞と言わざるを得ません。果物や野菜に限れば自給率は90%を超えます。農業の総生産額は10兆円規模で、このうち穀物は2~3割ほどですから市場規模自体は大きいはずです。一方で少子高齢化や過疎化で日本の農業は競争力がないといわれる。総人口に占める農家の割合は1.6%ですが、米国や英国は1%弱にもかかわらず農産物を輸出している。実は日本の農家は多いくらいなのです。

島田 晴雄(しまだ・はるお)氏
千葉商科大学学長。1960年慶応義塾大学経済学部卒業、同大大学院を経て米ウィスコンシン大学で博士号(労働経済学)を取得。慶大教授、富士通総研経済研究所理事長などを経て2007年より現職。「デフレは財政政策や金融政策で解消できるものではない」が持論。「民間の挑戦」をテーマに規制改革の必要性を提唱している。(撮影:竹井俊晴。以下同)

具体的な戦略は。

島田:農業を産業として強化していくヒントがあります。具体的には165万戸ある稲作農家のうち、コメを作っている専業農家は30万戸ほどしかありません。実に135万戸が兼業農家なのですが、ここでの生産は全体の5%にすぎません。つまり少数の専業農家が生産の大半を担っている。だから生産性の芳しくない兼業農家は別の戦略を持つべきです。政府は「土地バンク」を設立して、零細な兼業農家に土地を拠出してもらい効率の良い大規模な専業農家に生産を任せたらどうでしょう。

 生産性の高い農家は競争力があります。TPPで安価な外国産が入ってきても抵抗力があります。

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「成長戦略は作文集。基本政策が見えない」の著者

清水 崇史

清水 崇史(しみず・たかし)

日経ビジネス記者

98年早稲田大学大学院修了、通信社を経て日本経済新聞社に入社。証券部で機械・プラント、海運・空運などを中心に取材。2013年4月から日経BP社に出向。総合商社、金融マーケットを担当。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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