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日銀の金融緩和は「パールハーバー」か?「戦艦大和の特攻出撃」か?

評価の中に目立つ軍事・戦争関連の表現を考える

2013年6月27日(木)

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 黒田東彦総裁が率いる日銀が4月4日に「量的・質的金融緩和」を導入してから、まもなく3カ月が経とうとしている。対外公表文に「量・質ともに次元の違う金融緩和を行う」とあるので、「異次元緩和」とも呼ばれる。

 日本経済そのものを対象にした「壮大な実験」だと言われることも少なくない。来日した経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は4月の対日審査報告発表後の記者会見で、日銀の試みは「まったく新しいアプローチ。海図なき旅に乗り出そうとしている」と評した。

 これらのほかにも、今回の日銀の行動がいかに大胆な賭けであるかを示す言い回しがよく用いられており、目立つのが軍事・戦争関連の表現である。ここでは、第2次世界大戦に関連する言い回しをいくつか取り上げたうえで、史実などを確認しておきたい。

 ちなみに筆者は、第2次世界大戦のうちナチスドイツなど欧州戦線の関連では、若い頃から本をたくさん読んだり現地を訪れたりしており、かなり詳しいと自負している。

「バズーカ砲」

 金融市場に対して威力のある措置を、主に米国の市場関係者などが「バズーカ砲」(米軍が使用した携帯式対戦車ロケット弾発射器)と呼ぶことがある。

 近年では、住宅バブル崩壊や「リーマンショック」発生後の金融システム安定化策の柱として「TARP(不良資産救済プログラム)」を打ち出した米国のポールソン財務長官(当時)が、これを「バズーカ砲」と呼んだ事例がある。

 今回は、内外のメディアが日銀の「異次元緩和」を「黒田(総裁)のバズーカ砲」と、しばしば形容している(4月17日付の英フィナンシャルタイムズ紙など)。

 しかし、実は麻生太郎副総理・財務・金融担当相が、日銀が4月に「異次元緩和」に動くより前から、この言い回しを用いている。2月15、16日にモスクワで開催された20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議で麻生副総理は、「3本の矢」ではなく「スリー・バズーカ(砲)」だと英訳して、「アベノミクス」を説明したという。

 さらに、4月19日付の英フィナンシャルタイムズ紙に掲載された寄稿の中で、麻生副総理は「日銀がすでに金融のバズーカ砲を撃ったがデフレは1つのバズーカ砲だけでは破壊することができないものであり、われわれは3つのバズーカ砲を撃つ」とした。

 また、市場は最初のバズーカ砲の爆風を感じているとも述べた。同日にワシントン市内で行った講演では、「アベノミクスの『3本の矢』と呼ぶが、私はクレー射撃の選手として五輪日本代表も務めたので、矢ではなく『バズーカ砲』と呼んでいる」と、麻生副総理は説明した。

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「日銀の金融緩和は「パールハーバー」か?「戦艦大和の特攻出撃」か?」の著者

上野 泰也

上野 泰也(うえの・やすなり)

みずほ証券チーフMエコノミスト

会計検査院、富士銀行(現みずほ銀行)、富士証券を経て、2000年10月からみずほ証券チーフマーケットエコノミスト。迅速で的確な経済・マーケットの分析・予測で、市場のプロから高い評価を得ている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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