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オタクのコミュ力高めて増収増益

マニアの聖地「まんだらけ」が成長した本当の理由

2013年6月27日(木)

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 少子化が深刻化する中で大ブレイクした子供向け玩具や、人口減が進む中でも乗客を増やした鉄道会社、不利な条件を克服して黒字化を実現したプロ野球球団……。

 日経ビジネス6月24日号では、成熟市場や縮小市場でも、熱心な顧客を原動力に、成長を続ける企業を紹介した特集「熱狂顧客の育て方」を掲載した。

 熱狂的な顧客が下支えし、成長を遂げる企業――。このテーマで取材を進めるなかで、気になる企業があった。日本の中古本や漫画・アニメ関連グッズ、玩具などを販売する「まんだらけ」である。

 同社の創業者であり社長の古川益三氏は、東京・中野の「中野ブロードウェイ」に漫画専門の古書店「まんだらけ」を開業した。このまんだらけが中心になって、中野はサブカルの町と称されるようになった。今では、まんだらけやその店舗が入る中野ブロードウェイは「マニアの聖地」とまで呼ばれている。

 今回の特集でまんだらけに着目したのは、同社に漫画やアニメの熱狂的なファンが集うからだけではない。2000年に東京証券取引所マザーズに上場を果たした同社が、ここ数年にわたって増収増益を続けているからだ。

まんだらけの売上高と経常利益

 まんだらけはマニアたちを虜にし、それを業績に反映させている。今回の特集においては、「熱狂顧客の育て方」に成功した典型的な企業になるはずだ。まんだらけではどんなテクニックで、熱狂的なファンを育てているのだろうか。そのノウハウを聞きだすつもりで同社を訪れたところ、古川社長は拍子抜けするような話を打ち明けた。

 「私はただただ、この10年間、社員やスタッフに挨拶をしろと言い続けてきただけです」

 まんだらけでは、その業態の特殊性から幅広い分野のマニアが店舗に集まってくる。顧客の中には、店員以上の専門知識を持ち、「好き」が高じてまんだらけで働きたいと望む人も多いという。古川社長は、こうした顧客たちを採用して同社の社員としてきた。つまり社員たちもかつては、まんだらけに通う上顧客だったのだ。

 専門知識の高さを評価して採用したものの、古川社長は頭を抱えることになる。社員たちのコミュニケーション能力が著しく低かったのだという。店に客が訪れても「いらっしゃいませ」と声を掛けることもない。客がレジで精算を済ませても「ありがとうございました」とすら言わない。

 中野ブロードウェイ内のまんだらけを訪れる客の90%は、交通手段に公共交通機関を使っている。つまり地元の客ではない。遠方からまんだらけを目当てに訪れる客も多い。それにもかかわらず、行ってみたら店員が無愛想で、接客業の基本中の基本である挨拶さえできない。

 「良い商品がそろっているのはわかるけれど、店員が無愛想で怖いから2度と行かない」と店を去っていく客も多かったのだという。

 せっかく唯一無二の商品をそろえても、店員が接客できないばかりにファンを逃している――。危機感を覚えた古川社長が10年前から始めたのが、まず社長である自分に挨拶をさせることだった。

マニアの聖地となった中野ブロードウェイのまんだらけ。今では来店客の5~10%が外国人観光客だ(撮影:山本琢磨、以下同)

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「オタクのコミュ力高めて増収増益」の著者

日野 なおみ

日野 なおみ(ひの・なおみ)

日経ビジネス記者

月刊誌「日経トレンディ」を経て、2011年から「日経ビジネス」記者。航空・鉄道業界や小売業界などを担当する一方、書籍編集なども手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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