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中小企業は日本の「まごころ」であり「宝」

“雀卓”の後ろでぶつぶつ言う企業になるな!

2013年7月8日(月)

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 ここに自動車に使うノズルがある。燃料噴出ポンプの先に付けるものだ。これは、一枚の板から成型していく「深絞り」という技法を用いて作る。

 単に筒状のものは比較的作りやすいが、筒の途中に、ほかよりも少し太い部分を設けようとすると、途端に難易度が上がる。これができる企業は、国内でも限られている。海外にはないと言っていい。

 私は日頃から、「日本の中小企業は世界最強」であり「中小企業は日本のまごころ、世界の宝」であると主張している。上記のエピソードはその主張を裏付ける1つである。

クルマの燃料噴出ポンプの先に付けるノズルを愛おしそうに眺めながら説明する政策研究大学院大学客員教授の橋本久義氏

レベルの違う努力をする日本の中小企業

 ではなぜ、日本の中小企業は世界最強なのか。日本人だけが手先が器用でアイデアが豊富なのかというと、そうとは言いきれない。それよりも、日本のものづくり企業はみな、努力をしている。他国もしているが、レベルが違うのだ。

 パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、「5%値段を下げろと言われたら難しいかしらん。しかし、値段を半分やと言われたら、できるかもしらへんで」と言ったというエピソードがある。

 ある自動車部品企業が、トランスミッション用の歯車を納入していた先から、価格を半分にしてほしいという要請を受けた。その歯車は真ちゅう製。歯車と歯車が突然かみ合ったときに衝撃を和らげる目的で真ちゅうが使われていた。

 真ちゅうを使っているから高額でもあったが、それを納入先は値段を半分にしろという。しかし、真ちゅうの材料代があるから、半額なんてできるはずがない。

 そこで、艱難辛苦(かんなんしんく)。苦労に苦労を重ねて、鉄で歯車を作り、その歯面に厚めに真ちゅうをメッキした。これによってコストは、半分までとはいかなかったが、45%減らすことができたという。

 結局、新開発の歯車は、その納入先へは以前の価格の半分で納めざるを得ず、儲けにはつながらなかったが、他の会社へは、高く納められる。すると、真ちゅう製で収めていたときより、利益は大きくなる。かくして、会社は成長する。

 どの日本企業も、これと同じような努力をしている。

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「中小企業は日本の「まごころ」であり「宝」」の著者

橋本 久義

橋本 久義(はしもと・ひさよし)

政策研究大学院大学名誉教授

政策研究大学院大学名誉教授。東大卒後、通産省入省、製造業担当。1994年埼玉大教授。97年政策研究大学院大学教授、2011年から現職。現場に近いところで行政を・学問を!をモットーに多数の工場を訪問。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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