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年収1000万円、うまく使えますか?

独自アンケートから消費を考える

2013年7月2日(火)

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 日経ビジネスの7月1日号で「年収1000万円世帯の憂鬱」という特集を組んだ。世帯年収が1000万円前後の家庭を取材していく中で分かったのは、彼らの多くが家計に不安を抱えていることだった。

 サラリーマン社会の「勝ち組」ととらえられることも多い層だが、イメージされるほど彼らは余裕を持って生活しているわけではない。むしろ、老後の資金や教育費を捻出するために、節約にひた走ろうとしている。記事ではそんな彼らの姿を紹介した。

 今回の特集を組むに当たり、日経ビジネスは年収1000万円層の心理をより定量的に知るためにアンケートを実施した。年収1000万円クラスの求人を主に取り扱う転職サイト「ビズリーチ」の協力を得て、同サービスの会員に消費意欲などを聞き取った。

 特集の中では紙幅の関係もあり、世帯年収が850万~1250万円未満の約600人の回答結果だけに絞って結果を掲載した。だが、実はアンケート自体は単独の年収が750万円以上の人を対象としており、回答者の総数は約1700人。せっかくなので、今回は誌面では紹介しきれなかったアンケート結果について、もう少し紹介しようと思う。

半数が「1500万円でも足りない」

 「今後2人の子供を育てると仮定した場合、年収1000万円は親子4人が余裕を持って暮らすのに十分な額だと思うか」

 この質問の結果は本誌でも紹介したが、約1700人の回答者全員を対象にすると、「思う」または「少し思う」の合計が39.1%という結果が出た。残りの60.9%は「あまり思わない」または「思わない」という人で、半数以上が「1000万円は親子4人が何の心配もなく暮らせる額ではない」と思っていることが分かった。

 質問文の「余裕を持って」という表現の定義がないため、結果に曖昧さはあるが、年収1000万円といえば平均的な給与所得の倍以上にあたる。それでも足りないものなのか。「十分とは思わない」「あまり思わない」という人に、その理由も尋ねてみた。

「あまり思わない」「思わない」という方に伺います。 年収1000万円が十分でない理由は何ですか。(複数回答可)
 

 圧倒的に多かったのは「老後に必要な蓄えを考えると足りない」という回答で、65%が理由に挙げた。物価が高く、何かと出費が膨らみがちな「東京など大都市では足りない」という人も49.4%いた。勤労世帯が都市部に集中していることから考えれば、現役時代の都市部での生活コストが家計を圧迫し、十分に老後に備えられない構図が見える。

 では逆に、「世帯年収がどの程度あれば、親子4人が余裕を持って暮らせると考えられるのか」。その結果は下記の通りだ。

世帯年収がどの程度あれば、親子4人が余裕を持って暮らすのに十分と考えられるでしょうか

 「1200万~1500万円あれば」とした人は全体の48.1%。残りの半分強の人は、それでも足りないと考えている。

 1500万円以上の年収となると、相当にハードルは高い。国税庁の「民間給与実態統計調査(2011年分)」によると、1年間勤務した給与所得者のうち、1500万円を超える所得を得た人は1%しかいない。

 夫婦合わせて1500万円を得ようと考える場合でも、その約半分にあたる700万円を超える所得がある女性は2.7%しかいない。500万円超でみても女性の9.2%だ。1000万円超~1500万円以下の男性が4.5%なので、男女の組み合わせとしてはかなり狭き門となりそうだ。

コメント10件コメント/レビュー

「~したい」の回答は単なる希望ですよね?旅行に行きたいという潜在的な需要の可能性があるのは分かりますが、この調査で実情を測る事は難しいのではないでしょうか?▲「子供の保育費に月8万円かかる。共働きするために子供を保育園に入れているのか、保育園に入れるために働いているのかよく分からない」自己実現したくて働きたいのに保育園が見つからずに働けない人には聞かせられない台詞ですね。何かを手に入れた人は、手に入れられない人の事が判らなくなるものなのですね。(2013/07/02)

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「年収1000万円、うまく使えますか?」の著者

中川 雅之

中川 雅之(なかがわ・まさゆき)

日本経済新聞記者

2006年日本経済新聞社に入社。「消費産業部」で流通・サービス業の取材に携わる。12年から日経BPの日経ビジネス編集部に出向。15年4月から日本経済新聞企業報道部。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「~したい」の回答は単なる希望ですよね?旅行に行きたいという潜在的な需要の可能性があるのは分かりますが、この調査で実情を測る事は難しいのではないでしょうか?▲「子供の保育費に月8万円かかる。共働きするために子供を保育園に入れているのか、保育園に入れるために働いているのかよく分からない」自己実現したくて働きたいのに保育園が見つからずに働けない人には聞かせられない台詞ですね。何かを手に入れた人は、手に入れられない人の事が判らなくなるものなのですね。(2013/07/02)

本紙記事ともども興味深く読ませていただきました。私は現在45歳でまさに1000万円世帯ですが、確かに各種控除の廃止、健康保険料率改定、復興特別所得税などで、近年の負担増を実感しています。一昔前の「憧れの年収1000万サラリーマン」という感じではないですね。とはいえ、「今のままのキリギリスのような生活ではお先真っ暗」というトーンには違和感を覚えます。給与所得で1000万稼ぐ世帯というのは一般的に高学歴ホワイトカラーが多く、数十年先の「老後」というものを自分たちの人生の問題としてリアルに想像することができるため、「老後に必要な蓄えを考えると足りない」という回答が多くなされる背景にあるように思います。年収の割に貯蓄が少ないという問題も、生涯キャッシュフローの観点からは自明のことで、1000万円世帯の太宗を占める30代後半~50代は、子育てにお金が最もかかる世代ですから、収支マイナスは当然あり得るわけで、子育てが終わって退職するまでの期間で教育費分をまるごと老後の貯蓄に回し、生活水準ををダウンサイジングさせながらて乗り切っていくのでしょう。ファイナンシャルプランナーの「老後は大変」という解説は、個人年金をセールスしたいがためのポジショントークが入っているように勘ぐってしまいます。本紙にありましたが、比較的裕福とみなされて狙い撃ちにされやすい年収ゾーンですので、私も地域振興券、各種手当、保育園や医療費の免除等の子育て援助策を受けたことがありません。しかし、他の世帯に比べて「損をしている」という感情は持ってません。稼ぐ前提となる、雇用を含めた取引の安全が保障され、医療や介護、年金についても公的制度があてにできる世の中を維持するためにはコストがかかることは当然ですから、負担できる人が負担するのはやむをえないでしょう。それでも、日本のこの時代に生まれてきたことは幸せだと思います。(2013/07/02)

旅行代を減らそうという人の比率が少ないという点について,このクラスの人たちは忙しくてそもそも旅行に行っていないのではないでしょうか.お金はともかく時間が全然取れないので,私の場合は家族旅行は5年に1回くらいです.あと,我が家も子供が小さい頃は,妻の給料と保育園代とはトントンでしたが,キャリアを切らなかったおかげで彼女は今も人並みのお給料をいただけています.子育てと仕事の両立は大変でしょうが,一時の収支だけではなく長い目でみたらという考え方もあります.(2013/07/02)

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