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被災地「10万円コースの人」は自業自得なのか?

原発10キロメートル圏内の町から見えてきた3つのこと

2013年7月3日(水)

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 仕事と関連して、福島県のとある地域によく足を運んでいる。ここで宿をとるようになってまず驚かされたのは、テレビで流れる天気予報に、花粉情報と同じような調子で放射能情報が含まれていることだ。地元の人と話すと、よく原発近くの町の人々の話になる。「一度見てきたらどうですか」と宿の人が言う。

 ずっと現地を訪問しようと思っていたけれど、正直、腰が重かった。なぜかというと、現地を訪問することは、被災者とそうでない人たちの「立場の非対称性」という、いく分か暴力的な構造に加担してしまうような気がしていたからだ。

 そんな時、「そういうことをちゃんと分かっている限り大丈夫ですよ。僕の友だちを紹介します」と、数年来の友人が背中を押してくれた。彼は、震災後に地元の宮城に戻り、そこでふらっとーほくというプロジェクトを立ち上げた人である。

20キロメートル圏内の小高区にたなびく鯉のぼり

 1カ月前。原発から10キロメートル圏内にある浪江町に、地元のNPO(非営利組織)であるBridge for Fukushimaの人と一緒に思い切って訪問してきた。

仮想現実ではない「人が全くいない町」

 ドラゴンクエストのような、仮想の世界を旅するロール・プレーイング・ゲームでは、人間が全くいない町が出てくる。実際にそういうことが起こったらどうなるか。時を止めるのは人間活動だけなので、自然は時間の経過とともにエントロピーを増大させ続ける。

 海岸近くの田んぼが広がっていた場所では、津波に流された車が放ったらかしになり、稲の代わりに雑草がそこを新しいすみかとしていた。街中でも、これまで人間に追いやられてきた鬱憤を晴らすかのように、植物がそこかしこに生い茂り、猿やキジ、ねずみなどがあたりを徘徊している。海岸地帯は、震災後ほとんど手を付けられていないため、2年前とほとんど変わらないままだ。

もとは田んぼが広がっていた場所。雑草が生い茂り、車を飲み込んでいる

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「被災地「10万円コースの人」は自業自得なのか?」の著者

慎 泰俊

慎 泰俊(しん・てじゅん)

投資プロフェッショナル

東京生まれ東京育ち。朝鮮大学校政治経済学部法律学科卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て現在はバイアウトファンドの投資プロフェッショナルとして働く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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