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僕は社員に対して絶対「10点満点」をつけない

ビジネススクールでは教えてくれない成功哲学(2)

2013年7月2日(火)

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革新的なビジネスは「理想」を求める風土から生まれる

 ヴァージン・グループ総帥 リチャード・ブランソンは最近、ロンドン・トライアスロンに参加したと最新刊『ライク・ア・ヴァージン』に書かれていた。実は私も10年程前からトライアスロンを始め、いろんな人にも勧めているのだが、そのときの反応は大きく2つのタイプに分かれる。1つは「やりたいけど忙しくて」「泳げないんだよね」などと言って、「理想(こうありたい)」を「現実」に下げて考えるタイプ。もう1つは「よし、明日から早起きして走ろう!」「水泳のコーチ知らない?」と言って「現実」を「理想」に引き上げるタイプだ。

 その観点から見ると、ブランソンは「究極の理想主義者」だと思う。レコードショップや飛行機にしても、鉄道やスポーツクラブでも、「現実」が自分の求める「理想」とかけ離れていて、改革の余地があると判断すると、その「理想」の姿を追求せずにはいられなくなる。そして、「理想」に近づいても必ず改善点はあるからという理由で決して10点満点はつけない。その「理想」の高さも普通ではない。

 次々に革新的なビジネスを生み出すヴァージン・グループの秘訣の1つは、この「理想」を求める風土にある。ブランソンの最新著作『ライク・ア・ヴァージン』の中にも、はっきりとそのあたりのことが描かれている。(解説 パーク・コーポレーション代表取締役 井上英明氏)

10点満点 ……ということはない

(リチャード・ブランソン著『ライク・ア・ヴァージン』より)

 社員の仕事や新しい製品のアイデアを評価する時、ぼくは絶対に「10点満点」をつけない。それでみんなが憤慨するのもわかっている。だが、ぼくはどれほどすばらしいアイデアにも、常に改善の余地があると固く信じている。〝ブランソンテスト〟では9点が限界なのだ。

 社員に「これで完璧だ」と思わせるのは危険だ。たいていの人は「できた!」と思うと、のんびりと勝利の喜びに浸ってしまう。その間、数え切れないほど多くのライバルが、さらなる改良を目指して猛烈に努力しているというのに。

 ぼくは昔から、とてもウルサイ消費者だ。だがおおかたの〝クレーマー〟と違うのは、最悪のサービスを受けると、うれしくてぞくぞくすることだ。別にマゾヒストなわけじゃない。これまでに思いついた最高のビジネスアイデアのいくつかは、最悪のサービスを経験したことをきっかけに生まれたからだ。

リチャード・ブランソン氏(写真:©Bloomberg via Getty Images)

 小売業に進出したきっかけは、レコード店から追い払われてばかりいたことだ。〝罪〟といえば、わずかな小遣いでレコードを買おうとしていたことぐらいなのに。ロンドンにヴァージン・レコードの1号店を開いたとき、ぼくらは若者(お客様)がたむろしたくなるような場所にしようと心に決めていた。

 当時のティーンエージャーは、スターバックスが世に登場する以前のさえないコーヒーショップで、たった1杯のエスプレッソを飲みながら何時間も粘ったものだった。そこでぼくらは、店内に大きなクッションのようなビーンバッグチェアをいくつか置き、大音量で音楽を流し、レコード店に足を運ぶのを楽しいことにした。大手書店チェーンが同じことを思いつくのに、それから30年もかかったのはどういうことだろう!

 大切なのは、自分のビジネスやブランドを、外から見ようとすることだ。直近の4半期業績だけを判断の基準とするのではなく、顧客の目線で会社を見るのだ。まずは簡単なことから始めよう。自社のカスタマー・サービスに電話をかけてみるのだ。カスタマー・サービスの番号を探してみるだけでも、興味深い発見があるかもしれない。電話がつながるまでにどれくらい待たされるのか調べ、自分の会社がお客様を〝音声案内地獄〟に送り込んでいることがわかったら、さっさとシステムを変えるのだ。

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「僕は社員に対して絶対「10点満点」をつけない」の著者

ブランソン

ブランソン(りちゃーど・ぶらんそん)

ヴァージン・グループ会長

ヴァージン・グループ会長。1950年イギリス生まれ。72年ヴァージン・レコードを設立。84年ヴァージン・アトランティック航空を創業。その後、鉄道、金融、携帯電話、旅行、飲料、出版、宇宙旅行などに進出。(写真:©Bloomberg via Getty Images)

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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