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ホンダの自前主義は人を育てる

研究開発の進め方は根本的な考えで大きく異なる

2013年7月4日(木)

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 少々古い話題になって恐縮だが、5月20日にホンダの航空機事業子会社であるホンダ エアクラフト カンパニー(HACI)が小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」の試験用5号機が初飛行に成功したことを発表した。HACIの藤野道格社長が発表資料の中で「試験の成功は飛行試験が最終段階に入ったことを意味し、我々にとって重要なマイルストーンとなる」と語っているが、量産に向けた動きがいよいよ本格化したと言える。

 ホンダ社内で小型ジェット機の研究開発に着手したのは1980年代後半。実に30年近くもの歳月をかけて新規事業が花開きつつあることは、ホンダOBの筆者にとっても感慨深いことだ。

 小型ジェットの開発はホンダにとって未知の領域。ゼロから研究開発を立ち上げられたのは、ホンダ本体とは独立した本田技術研究所の存在抜きには語れない。その中でも和光基礎技術センターは、長期的なテーマを研究するための組織だ。前身となる和光研究センターを含めると、ここから生み出されたものには、小型ジェット機だけでなく2足歩行型ロボット「アシモ」、「ナビゲーションシステム」、「太陽電池」、「燃料電池」など取り上げれば枚挙にいとまがない。

 小型ジェット機やナビゲーションシステム、太陽電池はそれぞれ20年以上もの歳月をかけ事業化の道が開けた。事業化されていないものの、アシモは試作を重ねるたびに小型化と同時に俊敏性が向上するなど、着実な進化を遂げている。燃料電池も自動車用途に開発が進んでいる状況だ。

 筆者自身、ホンダへの入社以降、事業部門である製作所の技術スタッフとして勤務してきたことは、これまでの連載で紹介してきた。入社から12年後となる1990年2月に念願が叶い、基礎技術研究センターで研究に従事する機会を得た。今回は筆者の研究所時代の経験を交えながら、ホンダ(日本)とサムスングループ(韓国)の研究開発の手法とその意義を考察してみたい。

ゼロからの研究はホンダのDNA

 まずは、ホンダからだ。ゼロから研究を開始することの最大の利点は、既存の常識にはとらわれず、豊かで柔軟なアイデアを実現できることだ。外部の力に極力頼らない自前化はホンダのDNAと言っても差し支えないだろう。

 確かに実用化までに時間はかかるが、ゼロから研究開発を進めることで、技術進化の方向性が見えやすくなる。さらに既存技術にとらわれず、場合によっては既存技術を否定して、新しいアイデアを築き新たな付加価値を創り上げるケースも少なくない。

 冒頭に紹介した小型ジェット機はその最たる事例である。同事業は既に他社が手がけていた事業。最後発だからこそ、エンジンの搭載場所を従来の機体下部ではなく機体上部にするという発想にたどり着いたと言える。

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「ホンダの自前主義は人を育てる」の著者

佐藤 登

佐藤 登(さとう・のぼる)

名古屋大学客員教授

1978年、本田技研工業に入社、車体の腐食防食技術の開発に従事。90年に本田技術研究所の基礎研究部門へ異動、電気自動車用の電池開発部門を築く。2004年、サムスンSDI常務に就任。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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