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企業がこれから頼るべきは「個人のセンス」より「数千万人のデータ」

経営学者が見る「ビッグデータ」の本質(第1回)

2013年7月8日(月)

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 企業のビジネスを巡って日々流れるニュースの中には、今後の企業経営を一変させる大きな潮流が潜んでいる。その可能性を秘めた時事的な話題を毎月1つテーマとして取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちに読み解いていただき、新たなビジネス潮流を導き出してもらう。

 今月のテーマは、メディアなどで盛んに報じられるようになった「ビッグデータ」──。一般的な言葉として定着しつつあるビッグデータとはどのようなものなのか。企業のビジネスを大きく変える可能性があるとされるが、実際にはどのような効用があるのか。その本質について、国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客がリレー形式で登場し、持論を披露する。

 先陣を切るのは、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の大上慎吾准教授。マーケティングサイエンスを専門とする新進気鋭の研究者である同氏が、自らの研究の見地からとらえたビッグデータの特徴と企業における活用例を解説する。

(構成は小林 佳代=ライター/エディター)

 「ビッグデータ」という言葉はすっかり一般に浸透し、メディアで見かけない日はないほどです。では企業の経営において、実際にビッグデータはどのようなインパクトを与えるのでしょうか。従来から企業経営において重要なテーマとなっていた「データ活用」とは何が異なるのでしょうか。

 実は、企業の中で「データマイニング」という言葉が使われ、データ活用の重要性が説かれるようになったのは10年ほど前のことです。ビッグデータとデータマイニングの違いを理解するには、この10年間で起きたことを整理するのがいいと思います。

 この10年で大きく変わったことは2点あります。1つはデータ環境。もう1つはデータの分析・活用の仕方です。

 データ環境の変化は「4V」というキーワードで説明できます。4Vとは「Volume(量)」「Variety(種類)」「Velocity(頻度)」「Veracity(正確さ)」の4つを指します。

 この10年、人間が作り出すデータ量は大きく変化しました。2000年以降の増加があまりに急激なために、グラフにすると、2000年ぐらいまでに作り出されたデータ量がほぼ横ばいに見えるほどです。データ量の単位で見ると、10年前に「エクサバイト(10の18乗)」だったものが、今は「ゼタバイト(10の21乗)」と1000倍ほどになっています。増える量、スピードとも驚異的と言っていいレベルです。東京大学生産技術研究所の喜連川優教授は「情報爆発」と表現しています。

 データの中身も多種多様です。データマイニングの必要性が叫ばれていた時代には、基本的に企業内部のデータを活用することに主眼を置いていました。POS(販売時点情報管理)や顧客単位のトランザクションデータ、企業の基幹データ、経済統計などのマクロデータを結びつける中で、有益な情報を得ようとしていたのです。

 今や注目して対応すべきデータは社内にとどまりません。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで個人が発信したデータや、電波を用いて非接触で情報の読み書きを行う無線自動識別技術(RFID)、スマートフォン(高機能携帯電話)のGPS(全地球測位システム)、監視カメラなどが検知したセンサーデータも対象となります。企業は、こうした多種多様なデータを活用しようとしています。

コメント3件コメント/レビュー

確かにアマゾンの「オススメ」は類似の商品との比較を容易にし、また合わせ買いの関連商品に気付かせてくれるので便利だ。最近は某ネット通販などは頼んでもいないのにスマホ画面にしつこく商品を薦めてくれる。しかし、このような商売が目新しいかというと、店舗商売なら経験とカンで何かしら商品陳列に工夫を凝らして取り組んでいたことだ。スーパーに行けば、肉や野菜の側にシチューやカレーのルーを置くが如しだ。しかし、ネットのそれはいまだに行動実績の後追いに過ぎず、やっと店舗の経験とカンに追いついただけの気がする。レジのそばに電池が置かれているのは何故か。よくネットで情報が得られれば新聞は不要だという意見があるが、ネットで取り出す情報は自ずと目的に応じて絞られるのに対して、新聞は求めるでもなく情報が目に入るところに価値があるし、潜在的な意識を掘り起こす。リアルな人間の行動を見ずしてビッグデータをいくらこね回してもムーブメントは起こせない気がする。(2013/07/08)

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「企業がこれから頼るべきは「個人のセンス」より「数千万人のデータ」」の著者

大上 慎吾

大上 慎吾(おおうえ・しんご)

一橋大学大学院准教授

2007年4月から一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授。専門はマーケティングサイエンスで、ブランド・パーソナリティーや「クチコミ」データを利用した消費者行動分析などのテーマを研究している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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いただいたコメント

確かにアマゾンの「オススメ」は類似の商品との比較を容易にし、また合わせ買いの関連商品に気付かせてくれるので便利だ。最近は某ネット通販などは頼んでもいないのにスマホ画面にしつこく商品を薦めてくれる。しかし、このような商売が目新しいかというと、店舗商売なら経験とカンで何かしら商品陳列に工夫を凝らして取り組んでいたことだ。スーパーに行けば、肉や野菜の側にシチューやカレーのルーを置くが如しだ。しかし、ネットのそれはいまだに行動実績の後追いに過ぎず、やっと店舗の経験とカンに追いついただけの気がする。レジのそばに電池が置かれているのは何故か。よくネットで情報が得られれば新聞は不要だという意見があるが、ネットで取り出す情報は自ずと目的に応じて絞られるのに対して、新聞は求めるでもなく情報が目に入るところに価値があるし、潜在的な意識を掘り起こす。リアルな人間の行動を見ずしてビッグデータをいくらこね回してもムーブメントは起こせない気がする。(2013/07/08)

データを分析しても過去はわかってもこれからのことはわからんのですよ、企業のやるマーケティング活用の有名な失敗パターンじゃないですか(2013/07/08)

「個人のセンス」より「数千万人のデータ」はわからないでもないが、そのデータをどう解析するかは解析者の個人センスになっているわけで(笑)AIなどと同じで何にどれだけ重みづけするかはセンス以外ないんじゃないのかな。(2013/07/08)

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