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ニールは私に「DeNAのような会社にしたい」と言ってくれた

2013年7月5日(金)

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 今はなかなか足を運べませんが、社長を辞する前まで、DeNAサンフランシスコを軌道に乗せるために毎月米国西海岸に行っていました。自社での業務に加えシリコンバレーでは3つのことをしていました。現地のジャーナリストやVC(ベンチャーキャピタル)といったトレンドを掴んでいる人と会うこと、潜在的な提携パートナーとの交渉、そして事業に直接関係のない、元気なベンチャーに会うことです。

 シリコンバレーのベンチャーからたくさんのことを気づかされました。まず、バックグラウンドが多様であること。実は米国でも、極めて内向的で外に対して目を向けない企業は多いのですが、シリコンバレーは例外です。5~6人のチームで起業しているケースの場合、米国育ちの米国人だけで組んだチームはまずない。チーム内にいるのは1人か2人です。むしろインドや中国生まれで大学院から米国に来ているといった人の方が多い。国籍もバックグラウンドも多様です。だからなのでしょうか、「地球ってすごく大きいよね」と捉える人は少なくて、「地球規模で事業するのが当たり前だよね」という人の方が圧倒的に多いんです。

 彼らは最初から膨大な夢を掲げます。世界戦略が念頭にないベンチャーをあまり見かけたことがありません。もちろん言語的にも優位性があると思いますが、世界のナンバーワンを目指すという志は当たり前。目線だけではありません。実際に、開発はこの国でやろう、カスタマーサポートはここでやろうといったように、それぞれの機能を最も適した国でやろうという話が当たり前のように出てきます。自分たちがいるシリコンバレーの中にとどまりません。

 人材の採用についても同様です。優秀なエンジニアを採用するなら今はこの国がベストだ、どこかの会社が解散したと聞きつければ優秀な人材を取りに行こうといった話が当たり前のように交わされています。日本と比べると、目線も行動も大きく異なります。個人の経済的な夢も当然のようにありますし、決してそれを覆い隠そうとしない。互いにそれは当然のこととして、機能し合っています。

 また、彼らは野心家であると同時に非常に勉強熱心です。あちらこちらで勉強会が開かれていて、私たちの「モバゲー」についてもすごい勉強していました。私も、顔が知られてないときはよく勉強会に潜り込んでいました(笑)。半分くらいは間違ったことを議論しているんですが、半分くらいの議論が正しい点をついているというところがポイントなんです。

 彼らは億単位のユーザーを抱えるサービスを身近に知っていましたが、ユーザー数で圧倒的に劣るモバゲーがなぜこれだけ売り上げや利益を上げられるのか、純粋に驚いていました。そして、決して国民性の違いといった単純で簡単な部分に解を求めたりせず、互いに徹底的に議論しながら勉強していました。非常に真っ直ぐで、熱心なんです。

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「ニールは私に「DeNAのような会社にしたい」と言ってくれた」の著者

南場 智子

南場 智子(なんば・ともこ)

ディー・エヌ・エー創業者

ディー・エヌ・エー(DeNA)創業者。99年DeNAを設立、代表取締役社長に就任。2005年東証マザーズ上場を果たす。11年病気療養中の夫の看病を理由に社長職を退任、代表権のない取締役となる。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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