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国民は与党を「はしゃがせ」てはならない

田中愛治・早稲田大学教授に聞く

2013年7月9日(火)

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21日の参院選がいよいよ迫ってきた。各種調査からも与党・自民党の圧倒的な優位は揺るがない。この絶大な支持の背景は何か。自民党は選挙後、「暴走」してしまうのか。また、有権者は何を考え、どう投票先を選ぶべきか。無党派層の投票行動をはじめ選挙、世論形成を専門としてきた早稲田大学の田中愛治教授に聞いた。(聞き手は張 勇祥)

参院選では与党・自民党の圧倒的な優勢が伝えられています。背景をどう分析しますか。

田中:まず、安倍晋三政権への支持率がなぜ高いのかを考える必要がある。言うまでもなく、好調な経済情勢がバックにある。少なくとも国民レベルでは、経済政策の3つの柱を指す「3本の矢」にスピード感があり、円高の修正もあって景気は回復に転じた。

田中 愛治(たなか・あいじ)氏
早稲田大学政治経済学術院教授。1951年東京都生まれ。1975年早稲田大学政治経済学部卒、1985年オハイオ州立大学で博士号(政治学)取得。政治学、政治過程論と並んで「投票行動論」を専門の1つとする。選挙結果や各種調査のデータを解析することで、無党派層をはじめとする世論動向について詳細な動向分析を手掛ける。

 ただ、国民は最初から積極的に安倍政権を評価していたわけではない。2009年と2012年の衆院選における自民党の得票数を見ると、実は2012年の方が減っている。投票率が下がったので得票率は上昇しているが。これは自民党への期待、支持というより、民主党への失望が大きかったことを示している。失われた20年の中、国民は疲れ切っていたので、民主党への失望の反動で自民党にすがる思いだったのだろう。

 しかし、この半年で積極的な評価へと変わった。都議選で自民、公明の両党は候補者が全員当選するという圧勝を果たした。大都市部には無党派層が多く、都議選は国政選挙での無党派層の投票行動を先取りしていると考えられる。1993年に自民党が下野することになった衆院選でも、その直前の都議選で日本新党が躍進していた。さらに、地方に行くほど組織票の重みが増す。全国での選挙となる参院選で与党は(都議選に比べ)もっと勝つだろう。

しかし、参院選後には消費税の増税や社会保障改革などの難問が山積しています。

田中:ここで安倍内閣が気を付けなければならないのは、国民は内閣の政策を全てそのまま支持しているとは言い切れないことだ。消費税、社会保障だけでなく、憲法改正やTPP(環太平洋経済連携協定)、原発再稼働、農業、保育・子育てなど論点はかなり多い。

 今回の参院選では特に野党の立て直しが遅れているので、消去法でも他に選択肢がなく自民党と考える有権者は多いだろう。その結果としての過半数の議席数をもって、「全権委任」を受けたと単純に信じてしまうと、後になって政策面で行き詰まるきっかけになりかねない。

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「国民は与党を「はしゃがせ」てはならない」の著者

張 勇祥

張 勇祥(ちょう・ゆうしょう)

日経ビジネス記者

2012年から日経ビジネスの記者。転々と部署を異動してきた器用貧乏。それでも、何とか中国経済はモノにしたいと願う中年記者。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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