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安藤美姫選手に対するネット言論に見る「制裁なきムラ社会」

顔の見えないコミュニティという暴力発生装置

2013年7月10日(水)

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 カンボジア・プノンペンのカフェでたまっていたメールを処理していたら、フィギュアスケートの安藤美姫選手の出産のニュースが飛び込んできた。婚外子であろうとなかろうと、めでたいなあ、という程度の感想しか持たないでいたら、TwitterやFacebook経由で異変を知った。Yahooニュースのコメント欄が、ものすごい数の批判とそれを支持する人びとであふれかえっていたからだ。驚いたのが、「父親の名前を明かさないのであれば、批判されて当然だろう」といったコメントが大量の支持を集めていたことである。

 ネットにおいては、「落ち度(落ち度と見なされたものを含む)」のある人を徹底的にたたく発言が相対的に多いのは前々から気になっていた。この事件の少し前には、問題行動がネットで炎上したことと(おそらく)関連して政治家が自殺するという事件もあった。当然に炎上に加担した人びとは罰されていない。海外でもこういった現象はよく起こるし、例えば隣の韓国でも掲示板はよく荒れる。

 プノンペンのカフェでビールを飲みながら、なんでこんなことになるのだろうとぼんやりと考えていたら、やっと自分にとってしっくりくる理屈が見つかった。

 結論から言うと、こういう状況になったのは、私たちが慣れ親しんできたコミュニティは行き過ぎたメンバーに対して制裁があることを前提に成立していたのに対し、ネットの匿名コミュニティにおいては同様の制裁システムが基本的に存在しないことにあるのではないか。サイトの運営者らが対策を講じるか、よほどの政治介入がされない限り、問題が改善されることはないだろう。

ネットの現象は、昔の噂話とお節介

 私たちは、現在の日本のネット現象にすごく近いものを、少なくとも子どもの頃によく経験している。それは、近所のおじちゃん・おばちゃんの大好きだったうわさ話(井戸端会議)とお節介だ。

 コミュニティの中で誰かが何かをしたら、それがあっという間に噂話や井戸端会議という情報伝播システムを通じてコミュニティメンバーに共有される。秘密は基本的に許されない。誰それがいいテレビを買っただとか、いいところに旅行に行ってきた、とかいった、一見するとどうでもいい情報まですぐに共有され、(時にそれは嫉妬混じりの)論評対象となる。

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「安藤美姫選手に対するネット言論に見る「制裁なきムラ社会」」の著者

慎 泰俊

慎 泰俊(しん・てじゅん)

投資プロフェッショナル

東京生まれ東京育ち。朝鮮大学校政治経済学部法律学科卒、早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。モルガン・スタンレー・キャピタルを経て現在はバイアウトファンドの投資プロフェッショナルとして働く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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