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日本企業にはイノベーション以前に問題がある

研究開発のグローバル化(その1)

2013年7月11日(木)

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 今回から3回にわたって、研究開発のグローバル化について考えていきます。

 世界の国々に比べて、日本国内からはイノベーションが起きにくくなっているという問題意識を持つ日本企業が増えています。この課題を解決するため、海外の研究開発機関との間で密接な連携を模索したり、自ら海外に研究開発のための拠点を設け、研究開発のグローバル化を進めるといった取り組みを検討する企業が多くなってきました。

 そこでこうした研究開発のグローバル化に必要なことや、どのような考えで臨むべきなのか、などについて考えていきたいと思います。

単一の価値観では難しいオープン・イノベーション

 研究開発のグローバル化に触れる際に、ほぼ必ず議論になるテーマがあります。オープン・イノベーションについてです。自分たちが持つ技術だけでなく、外部の企業や機関が持つ技術やアイデアを組み合わせて、革新的な技術や製品、サービス、ビジネスモデルを生み出すことを指す言葉です。自社の研究開発能力だけに頼る方法と比較する際に、よく使われます。

 オープン・イノベーションは、ダイバーシティ(人材の多様性)と切り離しては考えられません。人種や性別、国籍、年齢など、様々な背景を持つ幅広い人材の多彩なアイデアを活用することで、実現していくものだからです。グローバル化への対応も、当然、切り離せません。

 ところが、日本の企業がオープン・イノベーションについて語るのを聞いていると、単に、他の企業の成果を、直接的に活用することなどに限定してとらえている印象があります。そうではなく、世界中から多様な人々が生み出す優れた知恵を集めて、成果に結び付けることなのです。優秀な人材という限られた資源を、きちんと集めて使いこなさない限り、実現できません。

 以前、ダイバーシティについての議論で指摘したように、日本の企業にありがちな、単一の価値観に基づいたモノカルチャーの組織での取り組みでは、同じような意見しか出てきません。主に、大学を卒業した22~65歳の男性によって仕組みが定められ、研究や開発が行われ、成果としての製品やサービスの売り出し方まで決定されているのが、日本の企業や研究機関です。

 例えば、米グーグルが発表した「未来のクルマ」の研究や開発を主導したのは、日本で研究をしていた技術者も入っていると言われています。技術者の側にとっても、画期的な取り組みを志そうとすると、多彩な発想を生かせるオープン・イノベーションを実現できるような場を求めるでしょうし、それがモチベーションに影響を与えると思います。

コメント5件コメント/レビュー

イノベーションの必要性、イノベーションを生みにくい過去の成功体験に凝り固まったメンタリティー。ここまでは良いとしても、アメリカが標準化で業界の主導権を握った航空機業界。の様になるとか、さらには、3Dプリンターが工業生産を規格化し、すり合わせを無くして行くとなると、首をかしげざるを得ない。航空機業界は、寡占化が進んだ結果米国企業がシェアを持っているが、欧州のエアバスとの競合もあるし、更に中、小型機に関しては、ブラジル、ロシアなどの勢力もある。日本から再参入を目指してもいる。そもそも安全上の規格制定を主導した国が業界を牛耳れるわけではなく、規格制定にはそのためのコストも発生し、単に市場支配上有利なだけではない。実態は、業界の有力企業が規格制定に貢献が大というだけだ。極端な話、規格制定には関わらずとも、出来上がった規格にのっとって製品を作ればよいのだから後発メーカーが有利ですらある。3Dプリンタも、いくらパーソナルのドキュメントプリンタが普及しても、本の出版界で使われるわけではないのと同様、大量生産には全く寄与しない手法であるし、誤った認識と言わざるを得ない。(2013/07/11)

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「日本企業にはイノベーション以前に問題がある」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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イノベーションの必要性、イノベーションを生みにくい過去の成功体験に凝り固まったメンタリティー。ここまでは良いとしても、アメリカが標準化で業界の主導権を握った航空機業界。の様になるとか、さらには、3Dプリンターが工業生産を規格化し、すり合わせを無くして行くとなると、首をかしげざるを得ない。航空機業界は、寡占化が進んだ結果米国企業がシェアを持っているが、欧州のエアバスとの競合もあるし、更に中、小型機に関しては、ブラジル、ロシアなどの勢力もある。日本から再参入を目指してもいる。そもそも安全上の規格制定を主導した国が業界を牛耳れるわけではなく、規格制定にはそのためのコストも発生し、単に市場支配上有利なだけではない。実態は、業界の有力企業が規格制定に貢献が大というだけだ。極端な話、規格制定には関わらずとも、出来上がった規格にのっとって製品を作ればよいのだから後発メーカーが有利ですらある。3Dプリンタも、いくらパーソナルのドキュメントプリンタが普及しても、本の出版界で使われるわけではないのと同様、大量生産には全く寄与しない手法であるし、誤った認識と言わざるを得ない。(2013/07/11)

液晶TVで、透明の合成樹脂の外枠を使用したのは、ソニーの製品だったと思います。まるで、画面が中空に浮いているような素晴らしい製品でした。発明協会が開催している、全国発明表彰でもデザイン特別賞を受賞したと思います。また、3Dプリンターの位置づけは少々???。日本でも、インクジェットプリンタのエプソンがプリンタ技術の応用として研究していたと思われますが。(2013/07/11)

最後の3Dプリンタの記述は少し浮いています。3Dプリンタの本質は”すり合わせの技術を排除すること”ではありません。3Dプリンタには3Dプリンタのノウハウもあり、メリット・デメリットがあり、これまでの加工技術の全てを置換できるものでもないと考えます。3Dプリンタより前の話は納得しました。(2013/07/11)

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三品 和広 神戸大学教授