やっぱりつらい? イラン人は「ラマダン」をどう思っているか

昼間の飲食禁止、空腹に耐える1カ月間

断食しないと、罰せられる

 「またラマダンか、どうしよう……」

などとつぶやくイラン人は少なくないです(多いです)。しかし、この1カ月間を楽しみにしている人も、結構たくさんいるはずです。これこそ、ラマダンをめぐる「イラン人のリアル」といえるでしょう。

 ラマダンはイスラムの暦の9月で、30日間にわたってモスリムは断食しなくてはなりません。もちろん断食と言っても、24時間、30日も続ければ死んでしまいます。これは、昼間だけの話です。

 イスラムのカレンダーは朔望月に合せているので、1年ごとに太陽暦とは11日ほどずれが生じます。なので、今年のラマダンは真夏の時期になってしまいました。摂氏40度を超える日も少なくないテヘランで、1日中食事はおろか、水さえ飲むことができませんから、その過酷さが想像できるでしょう。しかも、食べたり飲んだりしているのが見つかると、警察に逮捕される恐れもあります。ラマダン中のイランは、本当に地獄だと思われるかもしれませんね。

 しかし、それは現実と異なります。

 ラマダンの断食とは、恐らくユダヤ教とキリスト教の影響を受けたと言われています。アッラーはイスラム教の聖書であるコーランでは、はっきり断食を命令しました。さらにその期間をラマダン(イスラム教暦の9月)に規定しました。なぜなら、この月に初めてコーランが預言者ムハンマドに授けられたからです。

 断食の規則は次の通りです。夜が明ける前までに食事と水をたっぷりとり、1日中耐える準備をします。再び食事ができるのは、日没後です。もし、日没の前に食事をしたり、異性との性行為をすると断食はやり直しです。その場合、また別の月に断食をするか、10人の貧乏な人たちにおごるか、奴隷を釈放しなければなりません。

 断食を体に良いとか、貧乏な人たちの気持ちを理解する機会だという人もいれば、単純にコーランに書いてあるので守るべきものと信じる人もいます。理由は何であれ、ラマダン期間中のモスリム各国はとても独特な雰囲気に包まれ、ラマダンが終われば大きな祭りが行われます。

 イランにも伝統的なカレンダーを基にしたお正月や祝日がありますが、ラマダンが終わるとまさに祝日ムードです。ラマダン中に30日間の断食をした人だけでなく、1カ月の間自由に飲んだり食べたりできなかった人もこの祝日を祝います。ちなみにその日を、「イド・アル=フィトル」と呼びます。

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著者プロフィール

エッテハディー・サイードレザ

エッテハディー・サイードレザ

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

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