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“変人”を生かす経営を取り戻せ

日本のモノ作りの行方(第1回)

2013年7月17日(水)

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 日本の経営論壇をこれからリードしていく経営学者のホープたち。彼らに、日本企業が直面する経営の課題について論じてもらう。

 今回は、世界を席巻したかつての勢いを失い、閉塞感の漂う日本のモノ作りの行方について、3人の若手経営学者に持論を聞く。

 トップバッターは、明治大学商学部の富野貴弘教授。日本のモノ作りに欠けているのは「企画力」だと説き、高品質以外の優位性を追求すべきだと語る。

(構成は秋山 基=ライター)

シャープ、パナソニック、ソニーという電機メーカー3社の経営悪化に伴って、日本のモノ作りの優位性が失われたと懸念する声が出ています。日本の製造業の現状について、どのように見ておられますか。

富野:「日本のモノ作りはもうダメなのではないか」と全体的な悲観論が語られがちですが、冷静な分析が必要だと思います。

 藤本隆宏先生(東京大学大学院教授・同大学ものづくり経営研究センター長)のアーキテクチャ論では、モノ作りのタイプを大きく2つに分けています。部品設計を相互調整して、製品ごとに最適設計しないと製品全体の性能が出ない「すり合わせ(インテグラル)型」と、部品の接合部が標準化していて、これを寄せ集めれば多様な製品ができる「組み合わせ(モジュラー)型」です。

 このタイプ分けに基づいて言うと、すり合わせ型のモノ作りでは、日本の自動車・オートバイが今なお世界市場では圧倒的な強さを持っています。

 もう1つ、すり合わせ型で強いのは、デジタルカメラです。コンパクトデジカメは、つくり方がかなり組み合わせ型になってきており、簡単なものはEMS(電子機器の受託製造サービス)による委託生産も増えてきていますが、ミラーレスを含む一眼レフは本体とレンズのすり合わせ技術が効いてくるため、日本メーカーの優位性は全く落ちていません。

 他方、組み合わせ型のモノ作りでは、ここ10年ぐらいの間に、日本の電機製品の国際競争力が軒並み落ちてしまいました。日本の電機メーカーは長らく、高品質なものを低コストでつくるという目標を掲げ、成功してきましたが、ほかの国のメーカーでもある程度同じことができるようになり、日本メーカーのコストダウンを価格低下が上回るようになったためです。

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「“変人”を生かす経営を取り戻せ」の著者

富野 貴弘

富野 貴弘(とみの・たかひろ)

明治大学商学部教授

1972年生まれ。2003年同志社大学大学院商学研究科博士前期課程単位取得満期退学。明治大学商学部専任講師、同助教授など経て、2012年4月から現職。専門は生産システム、サプライチェーンマネジメント。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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