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産め、産むな、産め…もう子供なんか欲しくない!

イランの揺れる出生政策と募る将来への不安

2013年7月18日(木)

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将来が不安で子供どころではない

 現在15%のイラン人は将来に不安を抱いており、子供は欲しくないといわれています。イラン国内でこうなのですから、海外に滞在している私などは不安がいっそう募り、子供をつくろうという気など起こりません。

 子供は日本で生まれると政府の援助を受けられたり、病院の診察費用の心配をしなくてもいいといわれます。しかし、国籍はどうでしょうか。私の妻もイラン人ですから、パスポートに書かれる国籍は「イラン」です。そうすると空港では別の列に並ばされ、銀行や郵便局では何より最初に「ブラックリスト」に載っているかどうかチェックされます。

 いかがですか。子供にこんな運命を背負わせるべきでしょうか。

 イラン国内に住む人も同じ状態だと思います。毎年経済制裁が悪化し、発展の見通しが立ちません。さらに、アメリカの大統領が“よく口にする言葉”を聞く若者は、国や自分の将来を心配せずにはいられません。「イランに対するすべての選択肢は机の上にある」と、オバマ大統領が偉そうに演説で話すたびに、イランの人たちの将来は明るさを失っていくのです。

 「子供は欲しくない」――。1人のイラン人として、この決断を下した理由はちゃんとあります。

 私と同じく、1980年代生まれのイラン人は数多くの苦労を味わってきたはずです。77年から97年にかけて、世界の人口が42%増えたのに対し、イランの人口は78%も増えました。その結果、学校や病院などの環境整備が追いつかず、80年代生まれのイラン人は本当に大変な思いをしたのです。

40年でイランの人口は4倍の7700万人に

 わずか40年でイランの人口は4倍も増加し、2012年には7700万人に達しました。特に77年から87年の出生率は約4%と、イランも他の発展途上国と同じぐらいの出生スピードを見せました。小さい町や村の家族は4人から10人の子供に恵まれ、農家にとっては望ましい状況でした。

 子供が増加した理由としては、医学の進歩や結婚年齢の若年化、結婚率の増加などが挙げられます。さらに79年のイラン革命によって、当時の政治家が石油の利益を公正に分配するとを宣言したことも、出生率の上昇に拍車をかけた理由の1つだといえます。そのため、農村や小さい町でも電気や水道のインフラ整備が加速し、下層階級の出生率は5%を上回るところもありました。

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「産め、産むな、産め…もう子供なんか欲しくない!」の著者

サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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