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技術も知財も人材も、守りの発想が裏目に出る日本企業

研究開発のグローバル化(その3)

2013年7月25日(木)

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日本の慣習が招いた自動車部品メーカーの収監事件

 日本の企業が抱きがちなグローバル化への嫌悪感、怖さなどは、IT(情報技術)に対する姿勢にも似ているといえるでしょう。グローバル化、ITのどちらも、これまでの日本では避けてもなんとかやっていくことができてきました。

 22~65歳の日本人男性ばかりの社会が心地よくて、脱却したくない。世界のことなど知らなくて良い。外国人とはできれば接したくない。携帯電話は持ち歩きたくない。電子メールは使いたくない。ITを理解しなくてもいい。……このような考え方でも、それなりに快適に暮らせるのが、日本の世の中です。しかし、これでは済まない時期がやって来るのは、そう遠くない気がします。

 現在でも、日本の企業はその体質やビジネスの手法の面で、グローバル化に対応できないまま製品や開発拠点をグローバルに展開しているため、海外で問題を引き起こしている例が見受けられます。

 最近の例では、自動車部品をめぐる価格カルテル(販売価格の不当な統制)が海外に波及し、この価格カルテルに関わったとされる日本の部品メーカー4社の12人が、米国で次々に収監された事件があります。

 いずれも日本の独占禁止法にあたる、米国の反トラスト法(取引制限などを禁止、制限する法律)に違反したとされるもので、日本の自動車業界の中で、自分たちだけの間で通じていたビジネス手法が、海外では通じずに罰されたという話です。この当事者たちは、日本にいる限り逮捕されませんが、それではビジネスに支障を来すため、米国に出頭しました。

 摘発された社員が所属する企業に課された課徴金は、矢崎総業が4億7000万ドル、デンソーが7800万ドルなどとなり、矢崎総業は1年間の利益に相当する額を支払うことになりました。

 この件は、国際性の無さの悪い見本のような例です。グローバル化が嫌だ、怖いなどと言っているのとは対照的に見えますが、グローバル化を理解しようとしないのは同じで、自分たちの手法を押し通して突き進んでしまった例です。

 このような問題を防ぐために、グローバル化に対して、日本の企業は、もう少し真剣に向き合う必要がある気がします。

知財が取引材料になる時代の戦略

 知的財産に対する考え方も、グローバル化する必要があるでしょう。携帯電話に関する研究や開発の資産を多く持たないように見えるのに、なぜ、グーグルやアップルが携帯電話を作ることができるのか。この背景には、グローバル化時代の知的財産に対する考え方の変化があり、既に成立している特許の譲渡が容易になっているのです。中には、特許を保有する企業ごと買収し、そのビジネスごと吸収するだけではなく、逆に潰してしまうようなケースまで増えてきています。

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「技術も知財も人材も、守りの発想が裏目に出る日本企業」の著者

田中 芳夫

田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院教授

産ー官ー学での経験をもとに、これからの人たちと価値づくりを一緒に考えていきたい。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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