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政策理念と乖離するGNI目標

2013年7月25日(木)

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 6月14日に閣議決定された骨太方針では、従来のGDP(国内総生産)に加えてGNI(国民総所得)が重要な指標として位置づけられた。GDPの目標については、今後10年平均で名目3%、実質2%程度の成長を実現するとし、民主党政権時代と変わっていない。しかし、名目・実質GNIについてはこれを上回る成長を目標としており、1人当たりGNIを10年後に150万円以上増加させるとした。

 GNIとは、かつて各国の富の測定に使われたGNP(国民総生産)と概念的に等しい。今では国内で生み出された付加価値の総額であるGDPが世界で一般的だが、これに企業や個人が海外から受け取った利子や配当などを加えたのがGNIである。つまり、GDPに利子や配当などの受け取り分から支払い分を引いた所得収支を加えたものがGNIとなる。そして、国民の豊かさを測る1人当たり所得は、国内所得ではなく国民所得のほうが適切としている。

 この背景には、グローバル化の時代にあって、海外から得られる所得が重要になっていることがある。長らく日本は経常収支が黒字を続けてきたことから、対外純資産が積み上がり、そこから得られる所得収支も増加してきた(図表1)。このため、GNIがGDPを上回る傾向が続いており、日本企業の海外進出がさらに増える傾向にあることから、海外からの所得が膨らむ期待が高まっている。

図表1「経常収支の推移」
(出所)財務省

 そして、安倍政権の思惑通りに年率2%程度の消費者物価上昇率を実現できれば、低めに出るGDPデフレーターの上昇率も1%に届く可能性が高い(図表2)。こうなれば、GDP成長率は仮に2%でも名目は目標の3%に届き、同時に企業の海外進出や人口減少が続くことになれば、1人当たりGNIの増加計画は達成可能となる。しかし、海外からの利子や配当等の大半を受け取るのは企業であり、企業が人件費を増やさないと、個人が実際に受け取る所得の増加は見込めない。

図表2「CPIとGDPデフレーターの関係」
(出所)総務省、内閣府

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「政策理念と乖離するGNI目標」の著者

永濱 利廣

永濱 利廣(ながはま・としひろ)

第一生命経済研究所主席エコノミスト

日本経済研究センター、東京大学大学院経済研究科修士課程等を経て、2008年4月から第一生命経済研究所経済調査部主席エコノミスト。経済統計、マクロ経済の実証分析を専門とし、内外経済の長期予測を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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