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「うな丼の特上」を食べながら魚について考えた

ウナギとマグロを救え

2013年7月29日(月)

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うな丼の「特」を食べている場合ではない

 土用の丑の日(7月22日)、私は都内の牛丼チェーン店にいた。店内に張られた「うな丼」の大きなポスターにそそられた。うな丼(特)は、破格の1180円。より安価な「並」もあったが、今日は土用の丑のめでたい日だ。誇らしげに「うな丼 特!」と注文すると、周囲の客の視線を集めた。

 何より私は、ウナギに目がない。人生の末期、「最後の晩餐」は何にするか、と問われれば、うな重を選ぶかもしれない。

 実はあまり期待していなかった味のほうだが、柔らかくて案外いけた。店員に産地を尋ねたくなったが、無粋なのでやめた。後日、この会社のホームページをチェックすると中国で養殖されていたことが分かった。

なぜ、ウナギが溢れているの?

 ウナギが足りない。ウナギの稚魚が高騰している。最近、「ウナギ、ピンチ」のニュースが飛び交っている。昨年よりも今年のほうが、深刻のようだ。水産庁は5月、国内用のウナギの稚魚(シラスウナギ)の漁獲量が昨年より25%も減ったと発表した。キロ当たりの価格も10年前の10倍になっているという。

 それでも、牛丼チェーン店やスーパーに行けば、ウナギが溢れている。どういうことか。先日、元日本水産の環境オフィサー、三吉正芳さんに話を聞く機会があった。

 「牛丼屋で安い価格のうな丼が食べられること自体、信じられない。これまで、ウナギといえば、1年でも特別な日、つまり土用の丑の日やお祝いの時に食べるのがせいぜいだった。この季節感、高級感がウナギの需給のバランスを取っていたのです。でも、今や1年中、どこでも誰でも食べられるようになって、獲りすぎているんです。それが稚魚の枯渇の原因です」。三吉さんは厳しい口調で語りだした。

 ウナギは、長年、完全養殖(卵の採取から孵化、成長、漁獲まですべて養殖で行うこと)が不可能だった。2010年に水産総合研究センターが完全養殖に成功したが、商業ベースに乗るにはまだまだ時間がかかる。今、流通しているほとんどが、自然界で稚魚を捕獲し、大きく育てたものだ。

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「「うな丼の特上」を食べながら魚について考えた」の著者

鵜飼 秀徳

鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

京都市景観市民会議委員(2016年)、佛教文化学会会員。 1974年生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社へ入社。2005年日経BP社に入社。日経ビジネス記者などを歴任。2016年4月より日経おとなのOFF副編集長。浄土宗僧侶の顔も持つ。正覚寺副住職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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