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経済制裁と核開発、“脅された国”はこう思う

深刻な薬不足がイラン国内を脅かす

2013年8月1日(木)

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報道で得られる情報は正確か?

 米国や国際社会は、今なおイランに対して経済制裁を続けています。それがイランに与える影響について多くの報道がなされていますが、その信頼性はとても低いと言わざるを得ません。

 イランの現状を伝える通信社は、大きく3つのグループに分けられます。まず、イラン国内で報道活動を行っていますが、政府によって厳しく動きを制限されている通信社です。その通信社が配信するニュースを見ると、経済制裁による影響はとても低く、それどころか輸入制限のおかげで、イラン製の商品がとても売れているように思えます。たとえ制裁が理由で何か問題が起きたとしても、それは大したことではないと、この通信社は報道しています。

 第2のグループは欧米系の通信社で、こちらは逆に制裁の影響を大げさに報道する傾向があります。庶民の怒りは爆発寸前で、もうすぐイランでも他の中近東の国々と同様に革命が起こるはずだとその通信社は報道しています。特にイランの石油輸出に対する制裁の影響を、これら欧米系通信社は誇張します。

 そして第3のニュース通信社は、主に反対派に属し、海外で報道活動をしています。しかし、イラン政府に反対しているグループは1つではないため、この手の通信社が配信するニュースの中身は、非常に多様です。

 というわけで、経済制裁の影響をあるがままに報道する通信社もあれば、勝手な想像を働かせて報道する通信社もあります。特に信頼性が低いのは、以前の王制を支持し、1979年のイラン革命後、米国や欧州に追放されたイラン人たちが運営する通信社です。彼らは過去34年にわたり、近い未来にイスラム共和国が崩壊すると報道してきました。彼らはイランから追放され、1日も早く母国に戻りたいので、当然現在の政府が崩壊することこそが理想だと言えるでしょう。

 情報に対する信頼性の低い通信社のせいで、海外の人々がイランの現状を正確に知る手段はほとんどありません。一番確かなのは、イランの庶民たちの声を直接聞くことですが、以前このコラムで紹介したように、イランでの調査、取材活動は政府によって管理され、最終的に国民は今の生活に大変満足しているという結果が出るのが当たり前となっています。

 さらにイラン社会の階級格差が広がりつつあるため、人によって制裁の影響が異なってきています。中には、経済制裁のおかげで大金持ちになった人も少なくないのです。もちろん彼らに聞けば、制裁に対して何の不満など抱いていません。

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サイードレザ

サイードレザ(えってはでぃー・さいーどれざ)

コラムニスト・翻訳者

イラン生まれ。テヘラン大学外国語学部日本語学科卒業。韓国のインハ大学院政治・国際関係を専攻。現在、東アジアを中心にイランの通信ネットワークにて記事を寄稿。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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